人生②「矛盾だらけのこの世」 | 獏井獏山のブログ

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元来、この世のことは1つの言葉で言い表せない。つまり、一度言葉で表すと、忽ち矛盾が生じる。この世は矛盾だらけ、というより元々、1つの言葉で表現することが出来ない代物なのである。

・だから、全ての思想を自分の心の中に納めて黙っていれば事件は起こらない。しかし、それでは面白くない。矢張り表現する方が面白い。表現すると忽ち矛盾が生じるから面白いのだ。それを知った上で、「私の正論」、「私の言うことだけが正しいと思うこと」を表現するから面白いのだ。こうして、次々と驚くほど未曾有の異論が出てくるから面白いのだ。矛盾だらけの世界が表に出てくるから面白いのだ。

・各人に好き嫌いがあり、人によって好みの違いがある限り、世の中における矛盾の氾濫は自然の理である。

・これら矛盾する各人の思惑を一手に収斂して、全ての人が納得する解を出す「人を超えた存在」として、人が案出したのが神である。しかし神をしてさえ収斂しきれない矛盾が存在する。それがこの世、人間社会なのである。

 

「対話の矛盾」(A心とB心の対話)

・ここにAという心(考え)を持つ人と、Bという心を持つ人がいる。

・何事も自分の主張を通すのが生き甲斐のAがBに言う。

A「お前の考えは間違っている。B心を捨てて、A心になれ。」

B「いや、それは受け入れられない。」

A「何故だ、理由を言え。反論できないのなら俺の云うことを聞け。」

B「そこまで言うなら受け入れてもいいが、一方的では不公平だ。あな

 たの言うことを聞く代わりに私の言うことを聞いてくれ。」

A「分かった、言ってみろ。」

B「あなたは今すぐに、A心を捨ててB心を受け入れなさい。」

 

・上記の会話の結果は知れている。AはBの意見を受け入れる訳がな

 い。そこでBは言葉を続ける。

B「私の意見を受け入れる訳が無いでしょう。私もA心になる気はない。だから、もう、お互い何も言わない方がいい。兎に角、私はあなたの進言について全く関心が無いので…」

 


・しかし、世の中には、相手と議論する際、大声で多弁で捲くし立てて、相手にモノを言わせず、相手が黙れば自分の意見が通った、正しかった、と勘違いする輩が居る。

 周囲の人達は皆、嫌々ながら後が(うるさ)いから黙認してしまうから、このような輩が街の一角の限られた地域でのさばることになる。

 本当は黙認せずに、こう言うべきなのだ。

「一言いったら一言聞け。」と。

「お前が十言がなり立てて、私が一言も反論しなかったら、周りの人達はお前が言っていることが正しいと錯覚するではないか。アホなことを並べても、正しいことを言っているように誤解するではないか。そういう誤解が、その後、正論として世間にまかり通るのが一番恐ろしいのだよ。」と。