第一三一七話 雛話その8 | ~風和里~真壁にて

~風和里~真壁にて

「語りのある街」「八七咲き街」に続く第三部です
日々の美しい風景 支えあう人の和 どこか懐かしい里 真壁 
この里の物語、自分の思い、旅日記などを綴っています

3月3日、真壁のひなまつり最終日です。

 

この日は大切なことを行う日でした。

 

ひなまつりは子どもたちの成長を祈る行事

 

ゆえに子どもたちのために何かをしたいと思っていました。

 

みんなで色々調べているうちに

 

お雛様の原点は平安時代のひいな遊びとわかりました。

 

平安時代、子どもたちは川に人型の紙を流して遊んだそうです。

 

「最後に流し雛をやってみようか」

 

「折り紙でお雛様を折ってみんなで流そう」

 

話はとんとん拍子にまとまりました。

 

でも、ただ流すだけでなく神事にしたいという思いもありました。

 

後日、流し雛のことを駒瀧神社の宮司さんに相談に行くと

 

宮司さんは二つ返事で引き受けてくれました。

 

 

3日は朝から晴れた穏やかな日

 

午前10時30分から神武天皇遥拝殿でご祈祷を受け

 

午前11時から山口川にて折り紙雛を流しました。

 

参加した人は20人程度でしたが

 

きらめく川面にお雛様が静かに流れていきました。

 

そして、子どもたちも笑顔が何よりのご褒美でした。

 

 

流し雛も終わり午後4時過ぎ

 

町中のベンチに座ってお雛様を眺めていると

 

心地よい春風が吹いてきました。

 

その風に誘われお雛様も笑っているように見えました。

 

穏やかに、そして和やかに、真壁のひなまつりは終わりました。

 

(和の風~起の章~おわり 明日からは~承の章~へつづく)