(51)のつづき
1981年9月22日、8th「Discipline」を発表。

(1)Elephant Talk(2)Frame By Frame(3)Matte Kudasai(4)Indiscipline(5)Thela Hun Ginjeet(6)The Shelterling Sky(7)Indiscipline
ディシプリンとして始動したが、キング・クリムゾンの名義にして発表された6年ぶり8枚目のアルバム。リズムを大胆に取り入れたサウンドで、複数の異なる拍子が同時に進行するポリリズムを試みている。今ではシンセサイザーなどでプログラミングすれば容易に作れそうなポリリズムだが、彼らは修行僧のごとく高速で複雑なフレーズを人力で演奏し、ずらしながらやがて一致するなどの見事な構成美を披露している。ディシプリンとは戒律や規律という意味だが、その名の通り全メンバーが規則正しく演奏しないと表現できない曲が多く、プロフェッショナルな仕事ぶりと言える。
そんな作品だが、実際にそう思うようになったのはつい最近のことで、当時はファンの評判は散々だった。70年代のプログレッシブロックとは全くスタイルが様変わり、象の泣き声をギターで表現したり、意味のない歌詞、陽気なエイドリアンとレヴィンなど、とにかく信じられない変わりように、こだわりのあるファンからは拒絶反応が強かった。
(53)につづく