著者の近著「中国崩壊前夜」にあるとおり、中国は近々シャドーバンキングの倒産によって大量の理財商品の償還が不可能となり、中国国内は大混乱になるとみられている。一方中国は北朝鮮に対して毎年、原油50万トン、無煙炭50万トン、穀物50万トンの無償援助を続けてきたが、中国経済の悪化によってそれが途切れつつある。北朝鮮は中国からの無償援助が生命線となっていることから、日本や韓国に援助を求めようとしている。そのため、現在拉致問題の解決に向け前向きに話し合いのテーブルについており、著者は近々拉致被害者全員を日本へ返すと見ている。
一方深刻な経済危機の北朝鮮はまもなく崩壊し、38度線を超えて北朝鮮人民が韓国へ流れ込むことが予想されている。韓国には北朝鮮が崩壊した時のための70日計画があり、緊急の大統領令の発布により道路や鉄道を北朝鮮難民の輸送用に確保し、学校を閉鎖、そこに収容するという計画があるそうだが、寝具などの備蓄はあるものの、食料の備蓄はなく大混乱となることは必死の状況となっている。
韓国の経済も深刻な状況で、北朝鮮崩壊となると韓国一国では持ちこたえられない。韓国は日本の援助が必要となるが、どうするかは日本が決めること。韓国は日本の備蓄米、備蓄した原油を狙ってくる。あれだけ従軍慰安婦や歴史問題など反日姿勢を明確にし、日本でも反韓感情が高まっている中、韓国に対して簡単に援助できるのだろうか。著者は朴大統領が謝罪に来るまで援助は難しいとみている。
多くの内容は「中国崩壊前夜」とかぶるが、今作は朝鮮に主眼を置いたものである。しかし個人的に本としては前作「中国崩壊前夜」のほうが完成度が高いと思う。この「朝鮮崩壊」は文章の句読点が変なところにつけられていて読みづらいし、何よりも「~です」という書き方には違和感がある。私は著者の著作を多数読んでいるが、すべて「である」調で書かれているからだ。恐らく著者の発言をライターが本にまとめているのだと思うが、その担当の力量が足りないせいだろう。本として出版するからにはしっかりと校正をしてもらいたい。