人事制度の変化 給与制度 | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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企業や社会が求める『What's人財』をテーマに、キャリアコンサルタント福井祐平の視点で書いています。


従来は、生活費や勤続年数を考慮した年功型賃金をベースに、学歴、勤務態度、能力などを評価して給与が決められてきました。



これまでの賃金や処遇に年功序列と若手の抜擢による組織の活性化のバランスをとる方法として、「職業資格制度」が活用されてきました。



職業資格制度とは、従業員の能力の程度に応じて役職とは異なる「資格」を付与する制度です。例えば、総務部長は「役職」であるが、「総務部 部長」は職能資格になります。



<職業資格制度が導入されている企業例>
横浜信用金庫
イオングループ
税理士法人ゆびすい
学校法人大和学園  など



この制度では、同じ部署に同じ役職の人が複数存在するときがあります。成果主義型の人事制度への移行を図る場合では、修正すべき最重要部分といってもよいでしょう。



現在では、専門能力や実績の評価に比重が移るようになりました。管理職に年棒制を導入する企業は4割を超え、一般職にも年棒制度を導入する企業が増えてきました。



しかし、職種別に異なる給与制度を導入している企業は2割程度にとどまっています。これは、柔軟な人事異動やキャリア転換が難しくなることや、給与水準が低い職種のモラル低下が懸念されるためです。



能力や成果に応じた給与制度をいくつかご紹介します。


【ストックオプション制度】
会社の役員や従業員が、一定期間内にあらかじめ決められた価格で、所属する会社から自社株式を購入できる権利。業績に貢献した従業員へのボーナスとして利用する企業が多い。

<メリット>
・株価が上がるほど、従業員が得られる利益も増えるので、モチベーション向上になる。
・優秀な従業員の流出を防ぐことができる。

<デメリット>
・株価が上昇しない経済市場の場合、効果が発揮されない。
・多額の報酬を得た優秀な従業員が流出する可能性がある。

<導入企業>
ワタミグループ
千趣会
光通信
ニトリ  など



【インセンティブ制度】
一定の業績目標を達成した場合に、一定の報奨金を支払うといった業務の成果や実績に応じて給料や賞与などを変化させる制度。

<メリット>
・実績の評価と報酬がシンプルで分かりやすい。
・目標達成のために、業績効率が向上する。

<デメリット>
・報酬がでる業務に集中してしまい、他の業務とのバランス感覚が乏しくなる。
・結果主義になり、周囲との協調性を崩す可能性がある。

<導入企業>
トヨタ販売
ヤンセンファーマ
Cygames(サイゲームス)
京都きもの友禅  など



上記の制度をすべての職種に導入することは難しく、成果がわかりやすい営業職や研究職などで活用されています。成果報酬の場合、給与の変動が発生するので、ストレスと不安が増加する可能性があり、また持家計画や子どもの進学などのライフプランへの影響の心配もでてきます。



会社を選ぶ際は、どういう給与制度を選択するかよく考える必要がありますが、世の中が能力や成果に応じた給与体系に移行しているを理解しておく必要があるでしょう。

福井祐平



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