元日の朝の「明けましておめでとうございます」という挨拶、何がめでたいのか | ウッカリカサゴのブログ

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連載エッセイ JapanKnowledge、季節のことば【元日】 から転載
https://japanknowledge.com/articles/kkotoba/16.html

一年のはじまりの日、つまり元日の朝、元旦は「明けましておめでとうございます」という挨拶とともにはじまるわけだが、いったいぜんたい何がめでたいというのだろうか。

元日とはそもそも正月の満月の夜に、年(歳)神様をお迎えして、旧(昨)年の無事と豊作を感謝し、今年も同様であることを祈る日であった。

旧暦の正月十五日にこの日はあたり、明治六年まで使われていた太陰太陽暦(天保暦)の名残である。

この暦制が太陽暦(グレゴリオ暦)にとってかわっても、この日に行なわれていた行事やしきたりは「小正月」として伝承され、左義長どんど焼きなまはげなどのさまざまな行事がいまでも各地で催されている。

--中略--

もともと日本に伝えられてきた年神信仰が陰陽道の歳徳神と合体し、さらにこれに祖先の霊が加わって、年神の性格が出来上がってきたと考えられる。

おめでとうは、その年神へ対する祝福のことばなのであって、本来、人間同士の挨拶として交わすものではないのである。

婆利釆女(はりさいじょ)が八将神の母であったことで、その年の年神が宿る方角は縁起のいい方角とされ、それを「恵方」という。

そもそも初詣はこの恵方を参る「恵方参り」に由来するものであった。

恵方参りではその年の恵方にあたる神仏にお参りして、その年の豊穣と無事を祈ったわけだが、現在の初詣では、この恵方の考え方が完全に失われている。

また恵方参りする日は元日のみに限られていたが、正月三が日にお参りしても初詣というようになった。

--後略--

参照
【メモ】誕生日を祝う理由とは? 誕生日にまつわる歴史
https://ameblo.jp/husakasago/entry-12799553126.html
2023-04-21