最低からはじめる・・・・ 赤塚不二夫 = 全てをあるがままに肯定する男
自分が最低だと
思っていればいいのよ。
一番劣ると
思っていればいいの。
そしたらね、
みんなの言っていることが
ちゃんと頭に入ってくる。
自分が偉いと思っていると、
他人は何も言ってくれない。
そしたらダメなんだよ。
てめぇが一番バカになればいいの。 赤塚不二夫
三島由紀夫氏は、漫画の大ファンだった。
彼は東大だったけれども、当時の、漫画=悪書という、時代の空気もなんのその、他人の意見など気にせずに、時分の好きなことを好きなように書いていて、たのもしい。
時代匂ぷんぷんたる、教科書的な教養と比較すれば、まだ漫画の方が素晴らしい。
もう自分なりの自分の体系教養をつくるときだと書いている。
その彼に絶賛された漫画家とは、赤塚不二夫氏だ。
羨ましいとまで、書いている。
逆に嫌いだった作家は、白土三平。
いくら絵が上手くても、あれだけ、偏った歴史観を
書くようになれば、私も嫌いだ。
「サスケ」のままいけば、良かったのにとよく思う。
あれは、傑作だ。
個人的には、「天才バカボン」が好き。
あの、家族の一人一人が、すばらしすぎる。
そういう、三島由紀夫は、「人を尊敬してはいけない」とも書いています。
その理由。
「あなたを尊敬します」と言った瞬間から、言われた方は、「理想的な人」ということになるわけです。
人は、みんな、完璧な人間なぞいるわけもなく、そのうちに、失敗したり、ドジしたり、ボロが出るわけです。
すると、こういう「尊敬しています」と軽く口にする人は、傾向として、ああ、理想の人ではない、と距離を取るようになります。
でも、長い人生。その完璧な人間なぞいるわけもなく、そのうちに、失敗したり、ドジしたり、ボロが出るわけです。⇦このボロこそが、人生の味になり、その人の魅力だということがわからない人なんですね。
三島由紀夫は赤塚不二夫が好きでした。
銀座のバーで、文壇の偉そうな文学者たちが、偉そうに人生とはな、とか隣の女子に話しているのが嫌いだったんですね。
尊敬とかいうよりも、あなたは面白いと言った方がどんなに楽しいか。
三島由紀夫は、この言葉が相手の自由を奪うということを知っていたわけです。
いつも心がのびのびと、広がっていくためには、笑いとか、喜怒哀楽が必要なわけです。これは漫画家の一番得意分野。彼らは、エリートではなくて、高卒中卒の人が多く、庶民の夢をそのまま書くということを日々やっているわけですね。
五木寛之は、そのエッセイの中で、90歳の今、「浅く広く」人と付き合いなさい、と書いています。
これは、気持ちを自由にして、相手を大切にするということにもなりますね。
私もヨロチクアル中ではありますが。^^
もうビール一本に、焼酎かワイン1杯飲めばそれで満足です。
みんなが、のびのびとして、楽しい人生を送るためにも。
ラスキンは書いています。
「野の花を見てごらん。空の小鳥を見てごらん。みんな、役に立たないんだ。美しいものは、役に立たないんだ」
この場合、役に立たないというのは。
人はいつも金金
カネですから、そういう俗物的な発想、物や金やなんかすぐにそれが何の役に立つんだ、という言葉は、美しくはないということを認識したいものですね。
この春の息吹き。
啓蟄。
ざわめき。
この世の全てが生き生きとしてくる時期。季節。
美しいものを眺めて、分析はせずに、その美しさの中に浸っていたいですね。