映画「船を編む」見ました。
三浦シオンの作風については、資料に、
家族を描く作品。
特徴的な関係性を描く作品。
1つの仕事や物事に真剣に取り組む人たちを描く作品。
哀しいこと、恐ろしいことが、必ず起こる影を描く重い作品。
エッセイでは、爆笑日常エッセイと、活字中毒者として本とマンガの魅力を語るものに分かれる。
とあります。
私は、ここ最近の小説は、あまり読まないので、彼女の小説はあまり読んだ事はありません。
ただ、映画と小説は別物ですから、この映画は映画として見ました。
宮﨑あおい。
松田優作の息子。
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最初は、龍平に違和感があったけど、あれが彼の個性なんだなあとしだいに納得。
レインマンのダスティ・ホフマンのように演じれというのは無理か。
取材に取材を重ねて、描かれた原作。
辞書づくりが、なるほど、このようにしておこなわれるんだという視点を獲得。
人が人生をかけるに値する職業。
そして、また適正もあると思う。
極端に少ない言葉台詞。
静止画像のような画面。
深作監督なんかと比較すると、西洋画と浮世絵くらいの違いがあります。
無意識でしょうが、能の影響を、溝口監督などをとうしてか、
その伝統もあるのでしょうか。・・・・・・・・
平面的な静かな画像画面。
それでも、「用例採取」というキーワードともに、この映画は、
まわりつづける。
「まじめ」という意味深な言葉づかい。
「かぐや」という意味深な言葉遣い。
とにかく、まじめが、住んでいる◎◎荘の二階。真夜中、仕事に疲れて、猫の声を聴いてふと、ベランダにでると、かぐや姫のような彼女にばったりあう、そのかぐや姫のイメージの画面に、満月があり、猫がのんびり眠っている。
このシーンは大好きだ。
「いっしょけんめい」という言葉があるけれども、誰でも知っているように、この言葉は、
「一生懸命」と「一所懸命」というふたつの意味がある。
普通は一生懸命という意味を使うでしょうが、ほんとうは、「一所懸命」だという。
つまり、ひとつのところ=一所、に、命をかける・・・・・・・・という意味。
辞書作り、そのための編集部、そこで、15年もの時間・歳月をかけて、命をけずるようにして、
辞書をつくっていく。
大家のおばさんがなくなり、信頼する辞書の権威でもある尊敬する先輩がなくなり、・・・
信頼する同僚が違う部署に移動。
それでも、彼は、その「場所」=「一所」に命をかける・・・・・・・
そういう行為が、美しいんだ、人に感動を与えるんだという意味では、この映画は、
かなりのヒットをしたのだと思う。台湾でも、ヒットしたらしい。