「おれの人生ってこんなものなのか」 「これでおわってしまうのだろうか」 そんなことも考える日もある。・・・・・ そんな、普通のおじさんが、ある日、愛人バンク(今は死語)のチラシを見て、何かを考え始める。
女性には理解できない世界かなあ。
愛人 コミックセット [マーケットプレイスセット]
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昔、若い頃。
きれいなラーメン屋なんかなかった。
あわただしく、人が、回転するラーメン屋もきらいだったし、
味はともかく、ぼろぼろの店で、人があんまりいなくて、
その店の奥にある漫画本・週刊誌を読みたくて、男は
店に入ることもあるのだ。
男性は、ひとり、ラーメン屋に入って、ビールをまず頼む。そして、ラーメン屋の奥の漫画本・週刊誌などを無造作に手にとり、餃子をほおばりながら、読み始める。
しだいに、酔いがまわってきて、ラーメンと炒飯なんかを食べながら、漫画本を読み終える。
だから、ラーメン屋の漫画本は、もう手あかというか、油みたいなもんで、べたべたで、ぼろぼろ。
そんなところにぴったりの、本。「愛人」八冊コンプリート。
状態の良いものを見つけました。しかも、映画の漫画化された、コンビニガンダム本も、9巻まで、セットで・・・・
「愛人」ひとつの物語かと思って読み始めると、何個かのエピソードで、構成されている。
どこにでもいる、サラリーマンのおっさん。
自分の人生に疑問を持っている。
たしかに、家族はみんな応援してくれるし、昇格も近い。
給料は、たいしたことはないが、すこしずつ貯金して、マイホームももてそうだ。
「おれの人生ってこんなものなのか」
「これでおわってしまうのだろうか」
そんなことも考える日もある。・・・・・
そんな、普通のおじさんが、ある日、愛人バンク(今は死語)のチラシを見て、何かを考え始める。
父がなくなったときに残してくれた少しの金で入会するのだが、
出会った女性は、信じれないくらいに、すれていない天使のような少女。・・・・・・・・というわけで、男の人生の歯車は、狂いはじめる。・・・・・・・
天使が悪魔になっていく。・・・・・・
渡辺淳一の名作の「化身」のラストシーンは、自分がすべての金をつぎこんで育て上げた霧子に、最後の最後には棄てられて、すべてをうしなってしまうのだが、なにか、ほっとするような気持になってベッドに倒れて考え込むシーンで終るが、この「愛人」は、いろいろストーリーがあった最後には、ぼろぼろになった主人公のおじさんが、やはり、ベッドで、酒に溺れて、ずたずたに心を切られて、死んだようになっていた時に、ピンポーンと。ドアを開けると、逃げたはずの、妻と、子供ふたりが、泣きながら、立っていたというハッピーシーンでエンド。
まさに、ラーメン屋で、ひとり、ぼろぼろのこの本をにぎりしめなから、ビールをのみつつ、男って馬鹿だなあ・・・とか、女ってすげえなあ・・・こわいなあ・・・とか、思いながら、読む漫画本でした。8巻読了。