明治の男子は、星の数ほど夢を見た。ー山田寅次郎by 和多利月 読みました・・・ |   心のサプリ (絵のある生活) 

  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

 

 

うちで、昨年の初雪警報がなった前日、寒い寒い林の中で、ニャーニャー鳴いていた猫を

そのまま、拉致監禁、家に連れてきた。名前は、寅次郎と付けました。それから、早一年。

彼は、家猫として、うちで、楽しく暮らしています。・・・・・・・

 

明治の男子は、星の数ほど夢を見た。ーオスマン帝国皇帝のアートディレクター山田寅次郎by 和多利月  読みました。

献本の名前にまず惹かれました。

 

 

 

山田寅次郎。・・・私の苗字は佐藤ですので、うちの猫は、佐藤寅次郎。というわけで、シンクロを感じた次第です。

 

全く彼のことは知りませんでした。

 

無学です。

 

オスマン帝国軍艦、エルトゥールル号遭難事件の義捐金活動をきっかけに、日本とトルコの友好の礎を築いた山田寅次郎。

すごい人としか、言いようがありません。

子孫の方、たくさんの方の努力により、資料が集められ、ここに本として出版の運びとなったわけですが、それだけでも、

頭がさがるような思いになります。ワタリウム美術館を 和多利月さんは、運営なさっております。

 

例えば、蔵書を見れば、その人がわかる。とか、

その人の友人を見れば、その人がわかる、とか言いますが、

この山田寅次郎さんもまた、交友関係を見ると、びっくりします。

 

 

ほんの一部として、岡倉天心、徳富蘆花、森鴎外、夏目漱石、南方熊楠、幸田露伴、伊東忠太、正岡子規、その他多勢。

 

彼が信念のオーラを放ち、作品のモデルにもなっていることからそれはわかります。

 

昨日少し調べてみましたが、幸田露伴の小説のモデル、「酔興記」、そして「書生商人」に彼は書かれています。

それだけ、大器、というか、人に興味を抱かせるような人物だったことが理解できます。

すでに、絶版ですが、図書館で探してみようと思っています。

 

ちょうど、安部譲二が三島由紀夫の本のモデルになったように。

あるいは、初個展が失敗したもののその天才ぶりを、ユイスマンスの小説の中に一人の登場人物として描かれたルドンのように。

 

 

彼のこの言葉だけは紹介したいと思います。

 

「60年前、世界に認められていなかった日本が、今では世界の規範となっているのです。トルコのケマル・アタチュルク大統領が「われわれは、すべて、日本を見本にしていく」と語っていました。世界のことを研究しつつ、日本が発展していくことを願う中、これからは、語学をしっかり学び、自分の考えを伝えられるようにしてください。NOとYESだけ、言っていても何も進まないのです。」

 

 これは、今から、83年前に山田寅次郎が 今の高校生、当時の中学生たちに投げかけた言葉です。

 

 彼の人生は、あまりにも、深淵、巨大で、幅が広すぎ、ここに簡単にまとめることはできません。

 

 私が、一番強く印象に残ったのは、明治時代の人たちの、新進気鋭の精神です。

 

 東京芸大を作った岡倉天心の茶の本は、英語版でも出ていますが、彼ら明治の人たちは、日本語を操るが如く、(もちろん漢文の素養もありながら)英語を自在に使用できました。

 岡倉天心、新渡戸稲造、鈴木大拙、この3人の原文で本を読むと、いかに、文章が、わかりやすく、そして、深い思想に裏打ちされているかが、誰にでも、わかります。

だからこそ、世界的なベストセラーに、3人ともに、書き上げることに成功しているわけです。

 

 山田寅次郎は、その英語の他に、フランス語の勉強をしなさいと、書いています。トルコに行った時にも、オスマンル語を習得するまでは、現地の上級の人たちは、みんなフランス語をしゃべっていたので大いに役立ったとか。

 

 常に、男子たるもの・・・・・・・・・・・・天下国家を相手にすべし、と語っていた寅次郎。

 今の、優しいだけの男子に是非読んでもらいたい本だと、思います。もちろん女子にも。

 

 たくさんの人たちと観光ツアーで世界を見て回ることも楽しいでしょうが。彼の異国に対する好奇心は、語学でありました。

 ここが、違います。「その国を知るためにはその国の語学を知るべし」とは、誰が言ったのか、ちょっと忘れてしまいましたが、そのとうりだとおもいます。

 

 最後に、スティーブ・ジョブスが、母校の大学で、講演した時の名文句。

 「Stay hungry    Stay foolish 」  (チョット違うかもしれませんが)

同じように、彼の名文句をここに記しておきます。

 

 

    ジョブスも、think differentと、力説していました。彼は、こうです。

 

 ●人が考えないようなことをすること。

 ●物事には、複数の考え方と方法論があること。

 ●人生を豊かに、ラグジュアリーに、楽しむこと。

 

 

   一流の人は、遊び人が多いです。(良い意味で) 私も、語学をもっともっと勉強し、世界を常に意識しながら、「遊」を楽しむ人生を歩みたいと、思いました。私は今63歳ですが、平安時代に、語学=歌が堪能で、書や絵が上手く、そして、楽器の演奏をできる人が尊敬されたように、歩みたいと・・・・・・・・薄氷の上を歩くような人生ではありますが、ジェームズ・ディーンの言葉を常に胸にしながら。

 

  Dream as if you’ll live forever.

  Live as if you’ll die today」

   ジェームズ・ディーン