心と身体とわざ   「変容者」と、口で生きている人   |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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テレビはほとんど見ないので、ロンドンオリンピックの中継を見ていると、ちょっと気になることがあります。
 試合の時に、専門家の人がアナウンサーとかけあいをしているのはまあ、良いとして、とにかく、
ここだ心配だとか、そこは気をつけるべきだとか、日本人独特の細かな言葉がうるさくてしょうがありません。


 試合も、けっきょくは、慎重になりすぎた日本人選手は大負け。


 逆に、わざはともかく、実力もともかく、全面に自分の「心」を押し出して、戦いにのぞんだ選手の勝ちになっていますね。



 松本選手でしたか。
 普段は普通の不思議少女らしいですが、あの試合の時の、「変容」の力、には驚きました。
 非日常の世界へはいるぞとばかり、口からはマントラ、目はうつろ、口をあけたり、舌をのぞかせたり、顔中をうごかして、まるで「闘う動物」のごとき、パフォーマンスが、すばらしかったです。


 逆に、女のアナウンサーが、「相手の反則で勝ったから自分でもわけがわかないのかもしれませんね」とのたまう。


 このアナウンサーには驚いた。

 まるで、わかっていない。


 決勝まで勝ち抜いた来た選手というのは、もう、心と技と身体、そして、運命みたいなものが、わっとひとつになっているから、そこまで来た訳で、理屈ではありません。

 失礼ですね。


 それでは、松本選手が、反則して負けたらなんというのでしょうか。


  勝負の世界は、もう、勝ち負けだけの超絶にきびしい世界。


 相手が反則をしなければ勝てないと無意識に足をかけたくらいに、松本が相手に威圧感をあたえていたということでしょう。

 とにかく、女性アナウンサーといい、解説者といい、はっきりいって、いらないですね。


 かつて、三島由紀夫氏は、ボクシングの試合の最後に、インタヴューにくるアナウンサーのことに文句を言ったことがありますが、当然でしょう。


 アナウンサーは、言葉の世界で生きている訳ですから、言葉は強い。
 要は、口がうまい。

 逆に、試合している選手たちは、皆、どちらかというと、口下手なんではないでしょうか。

 おろおろ、何を言っているかわからない、それくらいに、身体を信じて、闘っている「変容者」なんですから。

 松本選手も、言葉が出てこなかったですが、いやあ、素敵な顔と言葉でした。


 理屈もなく、理路整然とした話し方でもなく、ただ、汗のなかで舌をうごかしている、嬉しいとか哀しいとかいう気持ちもまだ高まっていない。


 身体が、やるべきことをやって、まるで小動物のように息をしている。


 若い頃の浅田真央、今回金メダルの松本、銅メダルの高校生、男子サッカー、・・・・・・


 みんな、無意識と共生しているのだと思います。

 



  理論理屈、心配性の解説はもうたくさんです。