ベルサイユ宮殿にはいりました |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
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 岩見沢市晴れ。散歩していると暑くて汗。
 それでも、往復一時間ほど散歩。喫茶レイモンドで一休み。
 マスターから、レコードと、写楽のヌードポスターをもらい、感謝。
 なんとモーツァルトの20番。写楽はボスターだけを集めている人がいるということで、特に男性のコレクション癖について考える。・・・・
 女性で男性のヌード写真集を買う人はあまりいないだろうと思う。
 それでも、昔25才の時に、フランスに行った時に普通の書店に男性のヌード雑誌があったのには驚く。完璧なヌードです。
 珍しいので、一冊買ったのですが、今や、どこにいったのやら。
 大量の雑誌の山にうずもれてしまっている。^^
マスターのN氏。私と違ってよく世間のことを考えている。
 辛口の意見がなかなかしびれる。
 私のように空想妄想イマジネーションではなくて、自分ができる範疇の中で、考えをまとめるが得意。
 お互いに違う人間だからこそ、楽しいのだと思う。
 美味い珈琲を堪能し、宗教論など語り合い、楽しき雑談二時間。
 あまりいすぎてもいけないので五時に退散。
 またまた、歩きつつ自然の匂いを嗅ぐ。
 少し大きめのキャンバスの地塗り。
 私はマチエールに凝るタイプなので、厚めに地塗りして、その上に薄塗りを繰り返す。
 クレーの絵とバルタュスの絵をヒントにこんどは描こう。

 マスターとアイルランドやイギリスの話がもりあがったので、歩きながら、三年前に行ったフランスのことを思い出す。
 過去記事を見直して、少し訂正。



 この宮殿をテーマにいろいろな文学やら映画や音楽も生まれていますね。
 会田雄次氏などは、婆娑羅精神を語りつつ、現代の合理的な建築やら、文化は、人をたくさん惹き付けて観光になるようなものは少ないと書いています。
 確かに、このベルサイユにしても、砂漠のピラミッドにしても、その他世界の素晴らしい建築物は、あるひとりの「贅沢にしてかなり我がままなる欲望」がたくさんの人を犠牲にしながら作り上げたものでしょう。

 だから、人を惹き付けてやまないのでしょう。

 だれも、東京の都庁がいくら素晴らしい建築物だからと言って、金まで出して来やしないです。

 欲望が美とむすびつく。
 犠牲がむごたらしくある。
 この悪と美。
 何か人を引寄せるものなのだと思いますね。まあ勝手な私のひとりごとですが・・・










こころのサプリ    まあ、ヴェルサイユ宮殿の広いこと。歩くだけでも、へとへと。世界中から観光ツアーのバスが何台もとまっておりました。

私もこの旅の最後の方の日でしたから、少し疲れが。笑い。以前27歳の時にも、見てましたが、ここの庭には確かに覚えがありましたね。日本の建築家の銅像も立っています。天気が晴れだったのが、なによりでした。この天の青空の美しかったこと!!


こころのサプリ    
先日、リゴーの描いた「ルイ14世」の傑作絵画を載せましたが、このルイ14世が造ったのが、このヴェルサイユ宮殿ですね。池田理代子のヴェルサイユの薔薇のテーマとなった人物です。フランスの国を事実上高揚させたのはまちがいない人物。細かなことは歴史の書物をひもとくとして、この宮殿、とにかくでかいです。

$こころのサプリ    「マリー・アントワネット肖像画」

バロック形式の建物とされていますが、西洋の建物はほとんどがバロックとロココ、ビザンチンですから、その装飾過剰の美を見ているとへとへとになってきます。こころのサプリ    こころのサプリ    こころのサプリ    

鏡の間、マリー・アントワネットの使ったという寝床。こころのサプリ    ★彼女の寝床★クリックすると一万画素の画像になります日本でも侍は大の字になって床には寝なかったそうですから、いつ敵に教われても良いような、すぐに逃げることのできる隠れ扉や、ベッドのつくりにも興味がそそられます。こころのサプリ    ★コッボラ嬢監督マリー・アントワネット★

もともと、優美というものはトイレやご飯の匂いのないところに生まれるものであれば(稲垣足穂)、宮殿の中にトイレはたしか、まったく建築されてなかったと記憶しています。

あの広いベチコートで、皆隠れるようにして貴族の女性陣などは庭の端で用を足していた筈。ただ、長生きだけを目的とするような現代の健康法が広まる時代とは違い、彼等はとにかく、ある「観念」につかれて生きていたと言ってもいいのでしょうね。

私の個人的な考えですが、だいたい日本人は「思想」のためには死ねない。マルクス主義のために死ぬなんていうことはまず考えられない。そのかわり、お母さん!とか言って、自分の愛する「人」のためには死ねるのですね。だから、こういうトイレもつくらないような生活無視の建物は日本ではなかったと思うんですが、そのあたりは専門家ではありませんのでわかりません。

生活の美化を尊ぶ、日本人の美意識の方がずっと上だと私は思います。

ルイ16世の嫁となった政略結婚の犠牲者のマリー・アントワネットの生涯はおもしろすぎて、彼女が可哀想になってきますね。コッポラ嬢の監督したマリー・アントワネットの華麗なこと。モーツァルトが、七歳の時に彼女にプロボーズしたというエピソードも真実だと信じたくなってきます。笑い。





断頭台で、37歳で死刑になった彼女。夫は、性的な不能者ではあったけれど、当時の王様にしては愛人もつくらなかったですし、城の建設もしなかった。まあ、今の草食系の男性のようで、現代的な彼女の夫らしい。$こころのサプリ    
<性的な不能の旦那に対する寂しさから、少し浮気しましたね>

その意味では、子供に対する教育もきちんとしていましたし、日本の雅子さんではありませんが、良妻賢母の面もあったようですね。風呂にも入らず、体臭を隠すためのフランス香水も嫌いで、日々、風呂に入ることを愉しみとしたとあります。$こころのサプリ    
したがって今の現代女性が使うような軽いハーブ系の香水を使用したとも。

映画の中では、フランス革命で怒りを爆発させた、その日の食事もとれないフランスの民衆に、「パンがなければ、お菓子をたべればいいじゃなあないの」発言は有名ですが、このお菓子、ブリオッシュとフランスでは言うらしいですね。

普通のパンよりもこころのサプリ    砂糖とバターをたっぷり使った贅沢なパンというところでしょうね。

世界初録音9曲を含む12曲を歌ったCD「ヴェルサイユの調べ~マリー・アントワネットが書いた12の歌」をマリー・アントワネットの誕生日である11月2日に発売した、池田理代子。日本人らしいですね。

マリー・アントワネットの現代人らしきセンスがうかがわれる曲なんでしょうか。
一度聞いてみたいものですね。
どうして日本の女性がこうも西洋のこのあたりの歴史にぞっこん惚れるのか私はよくわかりませんが、国籍不明と昔は馬鹿にされた女性漫画も今や男子漫画よりも文学的と評価されていますし、その無国籍性こそが、世界にはばたく日本マンガのバネになったことを考える時、不思議な気持ちになります。


とにかく、私はこのヴェルサイユ宮殿の中を、きょろきょろ、ふらふら、歩きまわりました。
女性トイレは長蛇の列。おばさんが男性トイレに飛び込んでくるのは、どこの国でも、同じですね。笑い。

フランス人の男性ガイドさんが言っていましたが、この壁面の一つ一つの、レリーフや文様に、すべて、「意味」があるそうで、目眩がした私でした。こころのサプリ    こころのサプリ    

フランス人にとっての、ルイ14世と、マリー・アントワネットは特に、忘れられない人物のようです。


資料
この映画をつくったコッボラ嬢については、こんなおもしろいコメントもありました。
マリー・アントワネット生誕250周年の年に撮影された記念碑的な本作はフランス政府の全面協力の下、ベルサイユ宮殿での撮影が実現したのだが、 マリーの寝室から、「鏡の間」、「平和の間」、「ヘラクレスの間」、「オランジュリー」、「プチ・トリアノン」…など、通常立ち入り禁止になっている部屋での撮影も可能となったというのだから、この作品の規模の大きさが伺える。そう、とにかくゴージャスなのだ。
 マリーとルイ16世の結婚の儀が執り行われた聖堂、不満を募らせ詰め寄る民衆にマリーが頭を下げたバルコニー。今なお語り継がれる歴史に残るシーンの数々が、実際に彼女らがそれを行った場所で撮影されている。本物ならではの荘厳さを味わえるのもこの作品のみどころのひとつだ。
 それにしても、監督のソフィア・コッポラ。前作『ロスト・イン・トランスレーション』では、当初許可が下りないと噂されたパーク・ハイアット東京で無事撮影許可をもらい大掛かりなロケを敢行し、本作ではヴェルサイユ宮殿の立ち入り禁止の部屋の鍵まで手に入れた。スケールが大きい。あっぱれである。