松本秋則、寺山修司が絶賛したサウンド・オブジェをつくりつづけている気になるアーチスト。
高校卒業後、会社に六年間勤めたあと、作家活動。その後、50代になるまでずーと金にならないサウンド・オブジェを作り続けている。
というよりも、遊んで生きる、という感じでしょうか。
○自動演奏楽器 鳥かごの上からぶらさげた鉄パイフが風もないのに音を出す。
○川に船型のオブジェを浮かべ、両脇につけた水車が水流でまわることで竹の音を出す
○和紙傘に雨水をためてそこから落ちる水滴を動力源とする
○彼の展示を見に来た人の体温を感じ取るセンサーをつけてその体温で天上からのつるしたオブジェを動かす
○東京井の頭講演の音楽の催しに参加
○昨年度に彼の作品をつくることを手伝うボランティアの女性とついに結婚
これぐらいの情報しか知らないのですが、一番惹かれたのが、音を廃材などで出してその音を楽しむことを
金儲けではなくて好きでずーとやってきたというところ。
皆がバブルに沸き、バブルでぶっこわれ、そしてまた不況におおさわぎ、株安円高。そんなことに関係なく好きなことだけを子供とともにやってきてここまで来た事にやはり敬意をあらわしたいですネ。
もちろん私は形を大切にするタイプなんでやはり音楽はピアノの伝統にのっとった楽譜と、職人の技が編み出す名人芸のチェロやバイオリンが大好きです。
しかし、こんな日本のかたすみに、廃材でここまで音を追求してきたというのもやはり日本的でいいです。
このようなインスタレーションというんですか、日本でも有名な世界的なアーチストの川俣さんは私の高校時代の友人ですが、彼もやはり金がなくて廃材で「かこいこみ」のアートを作ってきました。
金がないない、なんていうのはやはり凡人の言葉。
金がなくても遊べますし、自由人として人生を謳歌できるのだと思いますネ。
やはり人生は目的地に達することそのものが大事なのではなくてその途中の過程が
充実していたかだと思います。
真の意味での「遊び」がこれから21世紀のテーマでしょうね。
もう出世なんて狙って頑張る時代ではないと思います。