人類の理性や信心が弱体している証拠なのかもしれない。 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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仕事が終わり、掃除機をかけ、手を洗い、鏡を見て自分にご苦労様と言う。

雪の中に飛び出てその冷気と光る結晶をたたえながら、駅に足は向かう。

ふと空を見上げれば、今朝あたりまりで雪が少なく暖かい冬にさからうように雪が降り続いている。ぼた雪だ。

クリスマスだからと言って、何があるかと言うわけではないのだが、小さな時のことを考えて身体は暖かくなる。

朝、目覚めると、当時は小学三年生であったが、ボロの共同アパートに住んでいた我が家でもクリスマスは、鹿とサンタクロースの話ぐらいはしていて、必ずきれいな包装紙に本が置かれてあった。

一番はっきり覚えているのは、「ギリシャ神話」である。ちょうど、少年マガジンや少年サンデーを読み始めたころだったので、見慣れぬ言葉だらけの本は最初ぎょっとしたが、読んでいるうちに我を忘れた。

カタカナの聞いたこともない神々が、神々とは思えないようなまるで人間と同じようなことを、しでかす。

愛し殺しあい、呪文があり嫉妬があり、空を飛び自分の顔に見とれて水の中で溺れてしまう、そんな物語は今でも精確かどうかはともかく、空想や妄想やその他の見聞きした物語とごちゃまぜになりながらも、独特のあこがれの物語、世界の始まりの物語として、刻み込まれている。

五木寛之が「生きて在る」そのことが大事だと書いている。生きて有るだけが生きることの目的のようなことを書く。

まるで坂口安吾だ。生きることに意味などない、ただひたすらに、生き抜く。そんな盲目的な生命の本能がこんな閉鎖的で、他人を今一度信じきれない人類の時代、見直されているのかもしれない。

自殺で亡くなる方が、年間で、三万人もいる、そう聞けばピンと来ない人も自動車事故で亡くなる人が年間で、6352人と聞けばいかにすごい数字かがわかる。

ドイツのアウシュビッツで亡くなった人が百万人と言われているが、あとこのまま20年も自殺者人数が減らなければ、その百万人になるのは目に見えている。これはまさに戦争だ。関西の阪神大地震でさへ6000人ほどだったはずだ。

今回のアメリカのイラクとの戦争で死んだ人達が4000人・・・。ああ、いくら死ねば人は、命の大切さがわかると言うのか。

神からどんどん見放されていく人類だというのに、そのしでかしていることはどんどん神話に似てきている。

人を火をつけたまま焼き殺したり、少し注意をされたぐらいで人に殺意を覚える。神話とは人類の集団的な無意識の積み重ねの物語であれば、ついに、我々の無意識のパンドラの箱があけられたということでありましょうね。

もともと人を殺すぐらいのエネルギーがなければ自分の村は守れないし、自分の命だって危なかった時代が確かにあったのであう。そんな暗闇の時代の暗い本能のDNAが、長い人々の忍耐の歴史の中で、理性と信心のこころで抑圧されて冷凍されていた「暗闇の遺伝子」が飛び出してきている。

逆に言うと、それだけ、人類の理性や信心が弱体している証拠なのかもしれない。


天動説から地動説にあっと言う間に常識が変動したように、人が中心というこの世界の常識もあっという間に、変わる日も間もないかもしれない。