両替 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
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雪が降る、まるで粉ミルクのように。

頭が真っ白なひとりの老人が、列車の操縦士と話をしているのが車両のドア越しに見えていたが、突然車内にアナウンス。隣の席にいた女子高校生のグループが笑い声をおさえた。

病人がでたか、この大雪だから大幅に列車がおくれるんかな、そんなふうにぼぉーと考えながら、私はもせうしの駅の降り積もった雪をみていたら、「5000円両替できる方いらっしゃいませんか
」と。まもなく男性が車内にはいってきてまた同じアナウンス、「5000円両替できる方いらっしゃいませんか」、とゆっくり、どうどうと歩き始める。


すると灰色のダウンをきているひとりの主婦が「1000円でもいいですか」と、たちあがる。細くて品のある女性だ。

操縦士が紳士で
恰幅がよいのでなにやら映画の1シーンのようである。

ふたりの劇が終わり老人は丁寧に頭をさげて列車を降りて雪の中を歩いていく。

旭川行き列車はまた動き出した。



「ポッポヤ=鉄道員」、私は
北海道弁がまちがいだらけの浅田さんの小説の映画化された中にでる俳優の小林さんをまたぼぉーと思い出した。

雪はますます激しくなる。