自殺しないための 方策と 思考    |   心のサプリ (絵のある生活) 

  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

再読。草枕。

この文章はあまりにも、有名だが、いいものはほんとうにいいし、うまし、考えさせられる古典。
ところでザ・漱石という一冊に彼の小説がすべて載っている大型の版の本を持っているのだが、これの、
字のでかい冊子二冊が出た。読みやすく、買うか悩み中。持っているものをまた買っても部屋にはいりきれなくなるし、階下の人が怖がるだろう。

○草枕


知に働けば角がたつ。情にさおさせば流される。意地をとうせば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこに越しても住みにくいと悟ったとき、詩が生まれて、画ができる。

・・・・・・
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするがゆえに尊い。


名文ですね。そして、好きだなあ、このわかりやすいところが。

■初めて僕が多少人生というものの楽しさを知ったのは、中年期の40歳になった頃からであった。
萩原朔太郎。「老年と人生」
骨董に夢中になった小林秀雄も彼と同様な思考が感じられる。萩原は二人の奥さんをもらい56歳まで急性肺炎で死ななければもっと長生きしているはず、小林も82歳まで生きている。


反対に。
芥川も太宰も三島もそうだが、30.40.代で死んだ芸術家達もたくさんいる。
統計によると、世界で一番短命が詩人とロックミュージシャン。
一番長生きは、坊主である、らしい。

萩原は、芥川の自殺について、芸術家というものは永遠の美少年にこころのなかで、憧れる人種である、したがって老醜が嫌だったのだ、そう書いている。実際の容姿というよりもこころのなかのことを重要視すると。三島も川端もそれにちかいものがある。

ギリシャの美少年のナルチスのように・・


長生きするということは、鏡の中の、老醜と戦うということであることがわかる。

宇野千代は生前、風呂に入ると自分の軀がビーナスのようで嬉しいという。目が悪くなるということには、このような素晴らしい老醜の防止があるという。
プラス思考が大切だということだろうな。ルノアールも、生前、「もしも女性に乳房と尻がなかったら、僕は画家になっていなかった」と豪語し、目が悪い為に、あの独特のルノアールタッチをつくりあげた。

欠点が欠点で終わる人。
欠点が人生の楽しみに化ける人。


すべて、自分を笑って、自分を馬鹿にし、自分を絶対視しないこと。
これがまたむずかしいんだな。

ある映画で、「友達がほしければ、犬を飼え、と」
私もあと10年もしたら、犬か猫か、飼ってみようと思っている。