着物が似合う登場人物は、日本的で、すがすがしい。  huruhon |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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まんきつにて、昼休息タイム。
瞑想・妄想・空想には、一番の場所。
立原正秋の「埋火」と手元に本がないので題名わすれたが、一夜の宿だったか。

三人称で書かれているが、たぶん、一夜の方は、私はと書き直しても通用する感じで、のめりこめる。
わたしは、と書き出すと、書きやすいがはまりすぎで、文はすべるように思う。三人称は、客観的だが、
筆もとまりやすい。
二人称の小説もあるが、読みずらい。

一夜の宿は、題材自体はよくできた話で納得させるだけのシチュエーションになっているし、読ませる力はもう最高の部類の作家である。骨董・医者・旅館・ホテル・海・三島・熱海・鎌倉・着物・帯・屏風・囲炉裏・坊主・ディテールが、細部が生きていて、染み込んでくる。小料理屋がよく似合う小説だと思う、村上春樹にファーストフードが合うように。せつなさがあり、しみじみとした旅愁があり、私は好きだな。

ひとりの作家をずーと一ヶ月も読んでいるとその読むこと自体も生きることと同義になりかねなくマンネリしてくる、再読すると同時に、平行して三人ほどの作家を読み比べながら進んでいくと、好き嫌いは別として、作品の書き出しから始まり、クライマックスまでの流れや、登場人物の性格描写や、細部の懲り方や、ジエンドの迎え方まで、よく、比較理解できやすい。

村上春樹と谷崎潤一郎と立原正秋と連城さんを読み比べていて、また、気がついたことを書く。
そのためにも、今は、短編が良いのかもしれない。

着物が似合う登場人物は、日本的で、すがすがしい。