漫画描きにとしての7つの質問に答える【番外編】 | 天風呂(アメブロ)

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風呂上(ふろがみ)リョウ様 といいます。気軽に呼び捨てでリョウサマと呼んでください。

今回はweb漫画

「恋愛漫画DEATH」の作者のりんごさんのチャンネルにて

出してる動画の台本となっています。

 

恋愛漫画DEATH本編の感想も含まれています。

 

 

 

 

 

 

 

はじめまして。りょうさまです。
漫画を描いたり描かなかったりしてます。


Q1 どんな漫画を描かれてますか?

自分が誰かに言いたいことをキャラクターの口から言わせてる
みたいな感じの漫画が多いです。
その為に背景にストーリーを作って。

 

だから自分が経験として一番長いのは学校生活だし
コロコロ、ジャンプ、サンデーで育ってきたから
大概は中学生か高校生達の話になる。

 

未成熟な子供達の視点を中心にして
時々成長しきった大人の視点を介入させる。

 

狙ってやってるんじゃなくて、
これまで作ってきたやつを見て
自分はこういう作風なんだなって思った。








Q2 出版社に持ち込んだことはありますか?


23歳の時にカードバトル漫画の

アンチテーゼ的なギャグ漫画を描き上げて
一社持ち込んで評価が良くなくて。
最低でも3社は回ろうと思ったんだけど
一社で もういいやって思ってネットにアップした。

 

26歳の時に描き上げた奴を持ち込みやって
一社目ではあんまり評価良くなかったんだけど
二社目では結構良い評価得られた。

 

年末締め切りのネーム賞があるから
それ向けに何か描きませんかって言われて。
それが2017年の9月のことで。

そんなん言われたら漫画一本に集中して

バリバリやるもんだと思うんだけど
次に完成したネームを見せに行ったのが二か月半後で
締め切りもう2週間しか無くて・・・。

担当さんの、僕に対する期待度みたいなのが

最初に会った時より低くなってる印象だった。
そりゃ向こうとしてもこんな時間かける奴期待できねーわな。




僕はやりたいことがいっぱいあって
時間も行動力もそんなに持ってるわけでもないのに
常に複数の事同時にやってるから。

 

 


僕が興味がある事

趣味(鑑賞)
ゲーム、漫画、映画、小説、ミュージカル

やりたい、作りたい
漫画、動画、ユーチューバー、演劇、TRPG、

学びたい
英語、プログラミング、ライティング、

やりたいけど優先順位的に保留してるもの
麻雀、ボクシング、ゲームブック制作、Unityを勉強、株
法律、政治、経済などの勉強、アプリ開発、ゲーム制作





その持ち込みやった頃って、
原稿を描き終えて満足して次は 演劇とユーチューバーと

コミックニートで上げる漫画を描き始めてた時期で、
それプラス ネーム賞向けの漫画みたいな感じで

4本同時にやってて。
それとドラクエと大逆転裁判2もやってた。

せっかくプロと繋がったんだからそれ全部保留に回して

ネームに集中するべきだったのかな、って
あの時間違えたな、って。
だから高みに行けないし勉強も身につかないのかな、

って最近は思ってる。
担当の方にも申し訳なかったな。

 そんな現在も英語とプログラミングと漫画2本とユーチューバーやって
 フリーランスになるための手段を模索してる。


好奇心旺盛なのはともかくとして
何も実らないままってのはまずいな、って焦ってます。
あと2年半で三十路だし。

新しいジャンルのものを見ない方がいいかもな、って。
見たら自分もやろっかなってなるから。
むしろ今やってる物により夢中になるものを見た方がいいなって。
 漫画頑張る気持ちになるためにバクマン。読むとか

 

 

 

 

 

 



Q3 自分の漫画をどう思いますか?


絵が上手くなる努力とかしてないから画力が乏しいけど
話が面白いという風には結構言ってもらえます。
担当の方にも「どうしたらこんな面白い話書けるんですか」

って言われて名刺渡してもらったし。

(褒めて伸ばす傾向の人だったのかもしれないけど)

じゃあ猶更やれよって話なんだけどね。

 

 

 

 



Q4 どんな漫画が好きですか?

僕は表現を通した描き手の思想や答えとかに興味がある。
世界観と、ストーリーと、登場人物の背景を通して
それを通して登場人物が、何を思いどう発言しどう動くのか

って所に惹かれる。

 

主人公も敵も、作者の頭の中から作られるわけ。
両者が最終的に行き着く答えって結局作者の頭の中だから。
その人でないと出来ない表現、出せない答えが見たい。


例えば、大切な人が殺されて 復讐しようとする奴が居るとして
それを止めようとする奴が

 

「こんな事をして何になるんだ、死んだ人は生き返らないぞ」
「死んだあの人はこんな事望んでない、悲しむぞ」

 

とか言って、それで納得して復讐を止めて解決ってなって
感動的な感じで終わったとしたらそれが
その「問い」への最終的な「答え」なわけで。


え、まだそこなの!?って風には思う。
そういう答えって今まで散々出されてきたから。
その次が知りたい。

過去に誰かが出した答えをなぞって終わりじゃなくて
なぞった上で自分はどう思うか、と。

あるいは 現実じゃ叶わないような夢だけを見せる作品より
夢と現実の両方を見せる作品。
ディズニーも昔は夢だけ見せてたけど今では両方見せてるし。

勿論すべての漫画にメッセージ性が込められているわけではないし
必ずしもそうである必要は無いと思う。

まぁ要は面白ければ好きって感じ。








Q5 好きなWEB漫画と

   嫌いなWEB漫画はありますか?

 

オコノギックスさんという方が描いてる
「孤高のぼっち」っていう漫画が好きです。
ぼっちでいる事に誇りを持ってるっていう変な価値観の

男子高校生の話で、
1人で居ようとするんだけど色んなクラスメイトに絡まれて

巻き込まれてしまうっていう
斉木楠雄のΨ難から超能力を抜いたイメージ。

例えば、クラスメイトが虐めを受けてるのを目撃したとして
大概これまでの漫画だったら…

 

助けたいんだけど 怖いからそれが出来なくて
かといって自分も嫌な奴だと思われたくないから
苦肉の策として、見て見ぬふりをするしかないっていう
それで自分は何もできないという罪悪感に苛まれる、
あるいはそれで友達を失くす。
そういう正義感と勇気が伴わないが故の葛藤のようなシーンって
漫画でなら結構たまに見かけるシーンなんだけど。

ぼっちの場合は そういう場面に出くわしたら
力強いから助けようと思えば出来るんだけど
間違っても友達を作りたくない
から、
そういう場面に出くわしたら
助けないことによって嫌われる所まで計算して
敢えて見て見ぬふりっていう選択をする奴。
で、それで当然好感度は下がるんだけど、
それが狙い通りだから ニヤリって笑う。

漫画の主人公が普通そんな事やんねーだろって事を
敢えてやるような奴。

それによって一見狙い通りになりそうになるんだけど
周りのフレンドリーな奴が良かれと思って
やったことによって好感度が上がって
余計に人が集まってきて「俺は一人で居たいのにー」
みたいなコメディ漫画。





嫌いっていうかWEBや漫画に限った話じゃないけど

 

主人公が別に努力もせずに天才的な能力を授かって
ムカつく敵を簡単にぶっ飛ばして、
いろんな人に尊敬されて沢山の美女に好かれて、
自分から女性を口説かない、強くなる努力もしてない
ありのままの自分をみんなが好きになってくれる。
自分に敵意を向ける奴は悲惨な目に合うか従うかの二択。
描き手の理想を反映させたような作品。
自分みたいな人間が正義で、世界もそれを認める、みたいな。

 

それがダメってわけじゃないんだけど
最近多いから、もういいよとはなる。
「自分の為の世界」「ジブセカ系」作品
・自分の考え方が正しいとされる世界
・自分に勝てる者は他に居ない世界
・自分が世間から求められ尊敬される世界
・自分が沢山の美女に好かれる世界





恋愛漫画DEATHは逆に マイナスの方への理想が描かれてるなと。
これが悪なんだぞ、っていう。

なんか虐められてきた奴が
そいつらを悪者にした漫画を描いてるような気持ち悪さがあった。




それらの要素はどんな作品にもある。
斉木楠雄のΨ難は結構そういう所多いけど。
けど、あの漫画の場合
例えばムカつく奴を大勢の前でぶっ飛ばして
格好つけるような真似はしない。
とにかく目立ちたくないから隠密に済ませるか、
負けたフリをするか。

色んな友達が集まってくるけど
主人公の事を持ち上げてない、あくまで対等なつもりだったり。

ワンパンマンのサイタマは 最強だけど格好つけてない、
実力や成果に対する相応の評価を世間から得ていない所だとか
生活や将来のことで不安を持ってる実は等身大ヒーローだったり。
そういう所も含めてのギャグだったり。

世間は分かってくれないんだけど
一部の仲間だけはサイタマの元に集まる。
そんなに助け合ってる感じではないんだけど
一緒にゲームしたり鍋をつつきあったりしてるのを

見てるだけで楽しい。




ジブセカ系に一つあるのが
「必死な奴を見下す」ってこと。

これ昔は悪役側がやってきたことで、
それに対して主人公が頑張って打ち倒すってのが王道だった。
今度は主人公側がそれをやるようになってきてる。

それをやるのが気持ちいいのは分かるけど
そういう態度をとると、人の心って離れて行ったりする。
自分の都合でやりたい事をやったら、
結果としてマイナスも発生する。




要はバランスだと思う。
どこかを上げる分どこかを下げる。

それなのに、
「努力」:しない

「実力」:欲しい
「女を口説く」:カッコ悪いヤダ
「美女から好かれる」:これは欲しい、出来ればいっぱい
「ムカつく悪者」:こいつは強くなくする
「必死な奴を見下す」:これはやりたい


食事に例えるなら、
肉ばっか食べて野菜を残してるような奴。
バランスを考えるなら両方食べなきゃいけない。
肉しか食べないみたいなことしてると体質もおかしくなるし
たまにはいいかもしれないけど毎日それだと飽きるでしょ。

だから「ジブセカ系」作品はすぐおなか一杯になる。




恋愛漫画DEATHは 野菜を残すわけじゃないけど。

昔、僕の弟が 食卓で、嫌いな食べ物を出されて
「うえっ」「おえぇ」とか露骨に嫌そうな態度で食べるってことをやって。
食べれるようになる努力するわけでもなく
それを嫌いだって当てつけじみたことをしながら食べてて
隣で聞いててすげー不愉快だった。

それに近い。
嫌いなものを理解しようとするわけじゃなく
ただ嫌い、悪いって言い続ける感じ。


人を軽んじる態度を取れば相応に人の心は離れていくものだと思う。
でもジブセカ系は
「必死な奴を見下す」「人から愛される」両方を欲しがる。
両方得たとしてもその矛盾を解消できる何かがあれば

まだいいんだけど。



恋愛漫画DEATHで 赤木明日香っていう

巨乳美少女のつもりで描いてるんであろう女の子が居て。

村根から散々見下す態度を取られてる。

それで、

 

「え、もしかして私、村根の事好きになったのー!?」
って言いだして。

 

はい、出た―!って。

 

コイツ(村根)のどこに好きになる要素があるんだよ!

 

 


主人公村根君の
・現代の文化を嫌悪する姿勢
・他人に「低能」って言葉を使う所
これらは改善するべき悪い要素だと思う。


この漫画のラストでは 今まで低能って言って見下してた奴から
助けらるか、そいつらの持つ正義に負けるかして、
自分の考え方を見直して「低能」って言葉を使わないようになるか。

それか、その姿勢を変えないまま占めるか。
例えば青空が写されて

「低能」ってセリフで占めて

左下に 「完」 みたいな。


多分後者になると思う。成長しない気がする。
その辺どっちになるかな。
もし後者だったとしたら、

僕とりんごさんは価値観が違うんだなって思う。




もうひとつムカついた話が
第11話の「マンガカ」編。

村根君が「漫画とか趣味の合う友達いねーかなー」とか言ってたら
同じクラスに漫画描いてる奴が居て、
勝手に原稿読んで
「へーすげーじゃん」「ちょっと勝手に読まないでくださいよー」
和気あいあいと盛り上がって
「これ持ち込みするつもりです!」って
そしたら「は?できるわけねぇだろ」
って急に辛辣に言い捨てて。

マンガカ君は怒る所が原稿破り捨てて新しいの描き始める。

そういうやり取りを何度か繰り返す中で
明らかに現実の世界の
漫画の描き手や読み手に向けた批判も交えつつ
「お前絵が下手だから作画担当見つけた方がいいんじゃないの」
って言って。

ひとつも言い返さず
批評を素直に受け入れてきたマンガカ君はそれに対して、
「俺には漫画描くしか無いんです…!」
って泣きながら言う。

村根君は、それに対して
「こいつは本物だな…」って心の中で思う。
この塗り方といい、いい雰囲気のシーンに仕立て上げて。

いや、何様?
どっから目線でモノ言ってんの?


ギャグマンガ日和にこういう
勘違いした上から目線の奴結構出てくるんだけど、
必ずそこにツッコミ役が居るか、
違和感のある空気として描かれるかのどっちか。
だからギャグとして成り立つ。

この漫画はそれが無いから、
読者の視点でツッコまざるを得ないんだよ。
「お前何言ってんの??」って。




こいつ自身何か得意分野があるわけでも無しに
努力して 全く言い返さない人間を一方的に見下して、
まぁ頑張りは認めてやるよ、みたいな。何様??

こいつ絶対友達出来ねぇよ。
殺したくなるもん。




ここで気が付く。
うわぁ、今、自分 村根と同じことを
この漫画の作者に対してやってしまっているー!!

村根がこのマンガカ君にやっていることを
僕もりんごさんに対してやってしまっているー!!!

一方的に作品を批評してダメ出ししまくってる。
しかもそういや自分も友達いねぇ。



もしかして 批判する人間が
こうなることまで計算した上で描いたのかな?
そうだとしたら天才。





Q6 漫画描きさんの一発ギャグを見せてください

 

※動画本編参照

 

 

 



Q7 最後に視聴者さんに一言

元々りんごさんと知り合ったきっかけが
恋愛漫画DEATHの1話目を偶然見かけて

僕が自分の動画で、貞操観念についての話をする上で
前にネットで偶然見かけた漫画の話を例に出そうとしたんですよ。
タイトルを覚えてなかったのと、
アマチュアの作品をあんま酷く言うのもどうかなって思って
タイトル言わないつもりだったんだけど。

ネットでその漫画を探して見つけて
あーこれこんなタイトルだったんだってツイッターで呟いたら
りんごさんに見つかって。

「タイトル出しても良いですよ」って言われたんで。
まぁ言質取ったし 嫌われてもいいやって思って
自分の動画で結構叩いたんですけど。


それで嫌われる所か 漫画に声を充てる動画で役を貰ったり
今回みたいにコラボ企画を頂いたりと
懐の広さに感服しました。

心の広さはりんごさんの方が圧倒的に上。