11月4日(金) 晴れ
11月15日は狩猟解禁日です。
ハンターには狩猟前に射撃練習をすることが義務付けられています。
目的は銃の扱いに慣れ親しんで狩猟中の事故を起こさないためです。
散弾銃の射撃練習は、猟友会の仲間と先月末に、上郡クレー射撃場で行いました。
今日はライフル銃の射撃練習です。
兵庫県下でライフル銃の射撃が出来るのは、神戸市の須磨綜合射撃場1か所だけです。
岡山県との県境に住む猪三郎には少し遠すぎます。
そこで、岡山県恵庭市にある「湯原国際射撃場」へ出かけました。
ここだと神戸へ行く半分の距離と時間で行けるのです。
有名な湯原温泉のすぐ近くにあります。

到着すると、先着のハンターが撃っていました。パ~ン! パ~ン!!
銃声が山間に響き渡ります。

この人は散弾銃によるトラップ競技で、射出口から飛び出すお皿(クレー)目がけて撃ちます。
つまり、猟野で足元から飛び立って逃げていくキジとかヤマドリを想定した競技です。
猪三郎の狙う獲物は「猪」「鹿」です。
先ず、銃ケースからライフル銃を取り出します。
北欧のフィンランド製「サコー85 」です。

銃ケースの中は、ご覧のようなスポンジでライフル銃を保護しています。
猪三郎の所属していた「社団法人 日本クレー射撃協会」の会長は、あの麻生 太郎氏です。
氏は1972年に行われたオリンピック・モントリオール大会に日本代表選手として射撃種目に出場しています。
猪三郎は、その日本クレー射撃協会の中にあるランニングターゲット部会(RT部会)に所属していて、66歳の時には、西日本大会で好得点を叩き出し、関西代表選手の一人として日本選手権大会に出場しましたよ。 日本選手権ですよ!
(ところで、肝心の成績は?って・・・・・ エェ~と確か16位でしたね~ 日本選手権の参加者は?って エェ~と確か16名でしたね~ と云うことは? まぁ、よろしいがな・・・
なにせ、日本選手権ですから・・・・エッヘン! 実は、ウチの山の神サンも選手でしたね~
最下位より悔しいのが、カミサンが15位だったことかな~・・・・面目ない・・・)
競技内容は、50m先の的を撃つのですが、その的は猪の図柄の板に、この的が貼り付けられています。
射手の合図によって、この的が右から左へ電動仕掛けで走ります。
2発目は左から右へ移動します。このため、移動的と呼ばれています。
(通常のライフル競技の的は動きません。静的と云います)
移動のスピードですが、幅10mを5秒間で走るスロー種目を20発。 2.5秒で走り去るファースト種目を20発。合計40発で得点を争います。

得点圏の直径は36cm、最高の10点の直径は6cmしかありません。
これを50m離れて見てください。肉眼で10点圏を確認することは不可能です。
競技場では、7倍から9倍の光学スコープを搭載して撃ちます。
スタンスは挙銃と云って銃を肩から下げて的が出てくるのを待ちます。

こんな感じです。この時に審判が注意するのは、銃床がウエストの黄色い線より上に上がっていないかチェックします。
的が出て来て、エイミング(狙う)から撃つまでは、こんなスタイルです。

(カッコえぇな~ 百発百中やで~!)
今日は、山野の猟場で失中(弾が外れて当たらないこと)しないように、猟用スコープの調整が主目的です。
「委託射撃」と云って、それ用の道具を使って銃を固定して撃ちます。
手ぶれ、身体のぶれによる失中を防ぐためです。
しっかりと固定して撃ちました。

スコープの微調整をすると、満足のいく結果が出ました。
回収した的紙をご覧ください。

拡大してみましょう。5発のうち10点が4発、9点が1発です。

実際のフィールドでは50mも先の獲物を撃つことは、殆どありません。15mから25mくらいの距離が一番多く遭遇しますので、これくらいグルーピングが良ければ絶対、OKですよ。
もう1本のライフル銃もご紹介しましょう。
今時、非常にレアな上下2連ダブルライフル銃です。
銃ケースの中では、銃身・先台・銃床の3つに分解して保管されています。

組み立てると、こうなります。

銃口側からご覧ください。

銃口が上下に並んでいるのが、お判りでしょう。
ダブルライフル銃には、この他に水平2連銃があります。銃口が二つ横に並んでいます。
実は、この銃、知る人ぞ知る銘銃で、バブル絶頂期には300万円の値が付いた代物です。
そんな銃が、なんで猪三郎の手許にあるのでしょうか?
4年ほど前に、前述のRT部会の役員をなさっている、京都にお住いのS氏から、譲り受けました。 氏は他にも世界の銘銃を数丁も所持されている、この世界では有名な方です。
S氏から「君なら、大切に使ってくれそうだから」と云ってくださいましたので、遠慮はしませんでしたよ!
この銃は、アメリカの「ウィンチェスター・グランドヨーロッパ」という銃です。
銃床には、高級材クルミが使われて緻密で綺麗な木目を見せています。

機関部の左側には猪の模様が手彫りで彫刻されています。

右側には鹿の彫刻です。

スコープはビンテージもののリューポルド2.5倍固定で、とうの昔に生産は中止されています。

上下2連にしろ、水平2連にしろ生産量は極端に少なくて、価格はビックリする程の値段が付けられます。 私はイタリア製ベレッタの水平2連銃で像も倒せるほどのマグナム銃を見たことがあります。 800万円でした!
値段が高ければ良く当たるからでしょうか? いいえ、10万円の銃でも充分に当たります。
銃の性能ではなく、高級な材料を使っている、手彫りの彫刻がされている、中には金象嵌・
銀象嵌の細工がされているのもあります。
本当の理由は、ダブルライフルは2本の銃身を溶接して制作します。その際の熱によって
金属の銃身が目に見えないほど歪みます。歪んだ銃身では意味がありません。
別々に発射された弾丸が、100m先では一つの点になるように調整しなければならないのです。 この歪みの調整には数か月を要するそうです。 値段が高い理由の一部だけをご紹介しました。
この手の銃は、北米の大型猛獣、アフリカのサファリなどで、好んで、使用されました。
理由は一本の銃身に専用の発射装置が備えられているので、装填した2発の弾丸は100%間違いなく発射できるのです。
つまり、大型猛獣が突進して向かってくるのに対して、確実に発射出来るということが、最大の強みなのです。 ボルト式ライフル銃、あるいは自動装填式ライフル銃では、極稀に、実包が装填できない場合(回転不良といいます)が現実に起こります。
目の前に迫った猛獣に対して、回転不良のリスクが如何程のものかは、容易に想像が付きますよね。
作家のヘミングウエィも、こよなく狩猟を愛していました。そして、小説「キリマンジャロの雪」を
書き上げていますが、彼の狩猟美学に魅せられて、猪三郎はハンターになったと云っても
過言ではありません。曰く、獲物と対峙したとき、自分に与えられた2発の銃弾がすべてを物語る。2発で獲物を倒すことが出来れば、勝利の美酒に酔うことが出来るだろう。
2発で倒せず逃げ遂せることが出来れば、それは逃げ去った獲物が勝利して、あとには
耐えがたい敗北感が待っているであろう・・・。
(長っ! まだ薀蓄たれるか~? だから言ったでしょうが・・・猪三郎にミツバチと鉄砲のことを喋らしたら、エライことになると云うたやろ?)
この銃を購入されたのは、東海道新幹線が開通した昭和39年で東京オリンピックの年ですから、半世紀もの昔のことです。当時のお金で一本はしたそうですから、それはもう!私の宝物であります!。
薀蓄ついでに、銃の口径についてお話ししましょう。
この世界では、インチ法が主流です。 画像は猪三郎のライフル銃の装弾です。

狩猟に行くときには、この弾帯を腰のベルトに挿して、山に入ります。
右側が、ダブルライフル銃用で「30-06スプリングフィールド」と呼ばれています。
つまり、30口径で1906年にアメリカの銃器会社スプリングフィールド社が制定したということが判ります。
もう少し、アップしてみましょうか・・・

左が30-06で、右側はサコー85で使用している「・243 ウィンチェスター」です。
話は30-06に戻りますが、完成して制定登録されたのが1906年と云いますから、なんと
110年も前に完成したものが、そのまま現役で使用されていると云うことですからビックリ!
1914年の第1次世界大戦から、1945年の第2次世界大戦まで、米国及び西側の軍隊で
正式に採用されて使用されていました。
さすがに、今はどこの国の軍隊でも使用していませんが、ハンターの間では絶対の信頼感と人気を誇っています。
30口径とは1インチの30%のことを指します。1インチが2・54cmですから、30口径を
メートル法に直すと7・62mmの直径と云うことです。
弾頭から雷管までの長さは、凡そ8cmです。
右側の・243は、やはり米国の銃器会社ウィンチェスターが制定した6・2mm口径の銃弾と云うことになります。 弾の長さは6・5cmです。
猟用に限って言えば、太い口径ほど威力があるので、確実に倒せるけれど、命中した周辺の傷が大きく、肉の痛みが多いというメリットとデメリットが隣り合わせの状態です。
小口径だと傷は小さいけれど、半矢(致命傷には至らず逃げられる)の確率も高くなると云うことです。
そこで、求められるのが「クリーンキル」の腕前です。小口径のライフル銃で頭部を撃ち抜くことです。 頭を撃ち抜けば獲物は苦しまずに即死します。身体にキズはありませんから、肉の歩留まりが良いのですが、遠くの森の中で走っている獲物の頭部を撃つことが出来るのは
果たして誰でしょう・・・? (賢明なる読者のみなさん!判っていますよね! ね!)
口径の話の続きです。(エェ~まだ続くか~!)
皆さんお馴染みの西部劇に付き物の腰の拳銃と云えば、「コルト ピースメーカー45 シングルアクション」ですよね。 もうお分かりですよね・・・45口径=1・14cm と云うことです。
画像をお見せしましょう!

安心してください!はいていますよ! 違った!安心してください!モデルガンですよ!
しかし、このモデルガンは、ちょっとうるさいですよ~
コルト社からのライセンスを取って、寸法も、アクションの動きも本物と寸分狂わずに再現していますから、映画「荒野の七人」で見せたユル・ブリンナーのガン捌きが思い出されますね~
(やっぱり、古いかな~)
今夜は、長々とお付き合い頂きお疲れさまでした・・・・ヤレヤレ・・・