美咲ちゃんが待つ家に着くと、母親の姿を見つけた美咲ちゃんと弟が泣きながら走りよって来た。

母親「ごめんね。ごめんね。」と泣きながら美咲ちゃん達を抱きしめた。

母親「美咲会わせたい人がいるの・・・。」

美咲ちゃん「この人知ってるよ。
パパでしょ~?
夢に出てきたもん!」

世の中には不思議な事があるものだ。
美咲ちゃんは父親の顔すら覚えていないハズなのに、いつも夢には父親が出て来て美咲ちゃんを抱き上げていたらしい。

その夜は、おばあちゃんの家でみんな一緒に晩御飯を食べた。

自分は産まれながらにして両親は居ない。
だから今回の美咲ちゃんの様なケースは、つい力が入ってしまう。
はじめは母親に怒りを覚えたが、美咲ちゃんの笑顔に救われた気がした。

晩御飯をご馳走になった帰りに美咲ちゃんから
「ありがとう。」と笑顔でアメを1つくれた。

その笑顔とアメ玉が最高の報酬であった。

今、美咲ちゃんは専門学校に通い介護関係の資格を取る為に猛勉強中だそうだ。

おわり
取り敢えずおばあちゃんに電話を入れて状況を伝えた。
まだ子供達には会える状態では無いのでもうしばらく待って貰う様に話した。


翌日、母親の病室にとある人物を連れて行った。

今回は母親の捜索と同時進行で父親も探し出した。

調査の結果、父親の所在は病院から車で20分ぐらいの所に住んでいる事が判明し前の晩に訪ねた。

現在一人暮らしをしているアパートに到着し、ドアをノックすると父親が出て来た。

自分「突然すいません。
私こう言う者です。」
名刺を渡した。

父親「探偵さんですか?」

自分「これ覚えてますか?」

美咲ちゃんから渡された千円札を父親に渡した。

そのしわくちゃな千円札を手に取ると父親は全てを悟った。
震える声で自分に問い掛ける。


父親「美咲は・・・。
今も元気で暮らしてますか。」

自分「はい。元気いっぱいで立派に育ってますよ。」

アパートに上がらせて貰い、今までの経緯を話した。

そんな辛い状態なら1度会って話したいとの事により病室に連れて行ったのだ。

久しぶりに対面した母親は涙ながらに
「元気にしてるの?」
と元夫に話し掛けた。


あとは二人だけにして病室を離れた。

数時間後、父親がロビーに降りて来た。

父親「今色々話しまして、またやり直そうかと思いましす。
離婚は自分の事業の失敗が原因だったんです。
今は当時の借金も返済し、少しばかり生活にも余裕が出来てきましたから」

自分「そうですか。
それは良かった。
美咲ちゃん達も喜びますよ。」

3日後、母親と父親を連れ病院を後にした。




通帳記入をすると2日前に1万円降ろされている。
残金は58350円になっている。
まだ引き出されている可能性もある為、早速お金が引き出されたATMに向かった。

海岸添いにあるコンビニだった。
コンビニから国道を越えると、浜辺までは防風林の林になっていた。

コンビニから半径500メール以内に捜索範囲を絞り聞き込みを行った。

ファミレス・ファーストフード・コンビニ・マンガ喫茶で聞き込んだがあまり有力な情報は得られなかった。

そこで防風林の中を捜索し犬を散歩している中年女性に聞き込んだ結果、有力情報を得た。

防風林の中で似たような女性が歩いていたと。

防風林を捜索中に救急車が通り過ぎた。

不安が頭を過った。

防風林を進んで行くと、パトカーと救急車が止まっている。

駆け寄って見物している人に尋ねると、女性が首を吊ったらしい。

警察官に事情を話すが取り合ってくれなかった。
救急車のストレッチャーに横たわる女性を見たら美咲ちゃんの母親であった。

幸いにもビニール紐が安物だった為に、首を吊った瞬間紐が切れ地面に倒れた時に頭を打っただけの軽症で済んだらしい。

救急車の後を追い、搬送先の病院で話をする事が出来た。

母親は娘と弟を育てて行く事に悲観的になってしまい自殺しようと考えいたと言う。
そして昔住んで居た場所を一目見ようと、こちらに来たらしい。