ねっ、自衛隊で病院船を作ろう。 -大学病院の待合での妄想です- | 野良猫の目

野良猫の目

~本当は寝ていたい~

 

診察の1時間前までに終えなければならない検査があり、どうしても病院の待合のロビーで1時間余り過ごすことになります。今回は、そんな待合での暇つぶしの妄想です。実現の可能性など考えずにいい加減なことを書いていますのでご容赦を。

 

 

自衛隊で病院船を作ったらどうでしょう。

真っ白な大きな船体に赤十字と日の丸とが並んで付いているなんて、デサイン的にも面白いじゃないですか。

 

港のないところでも、上陸できる海岸線があれば、上陸用舟艇に医療チームが乗り込み、医療器具を積んだトラックと一緒に上陸します。国境なき医師団も一緒に乗っていたりして。こうして上陸した医療隊が被災地まで急行。赤十字の旗を靡かせた白い車体の隊列が被災地に向かって爆走する姿を想像するとチョット嬉しくなります。

 

被災地からヘリコプターで病院船に患者を移送して手術を行うこともできるようヘリポートも装備します。病院船は数フロアーを病棟としますが、新型コロナウイルスのような感染症に対応するためにゾーン分けもできるようにします。

 

このような病院船が国際間の連携のもと、世界の海に散らばって地球を回っていて、いざ災害や戦災が有れば近くに居る病院船が駆けつけます。

 

ところで、戦災地の場合は、治療対象は原則として民間人に限るのですかね。それとも傷病兵も対象にするものなのですかね。この辺りは私にはわかりません。

もしかしたら、戦闘機がいきなり接近してきて、「うわ、馬鹿、病院船を攻撃するか」なんて構えたら、病院船の横に着水して『パイロット脱走・亡命希望』なんてことになったら、それはそれで受け入れるのかなぁ。

 

 

病院船であっても手が出せないところがあります

これを書いていて、以前、日本赤十字の方の講演を聞きにいったときに、「核兵器を使われた場合は被害者がいても救援に行けない。それが、私達が核兵器に反対する理由だ。」と話していたことを思い出しました。

“放射能汚染”のあるところは、病院船でも隊員に放射線被爆の危険を負わせることはできません。医療関係者からすれば、自分達の医療を必要としている人がいても、それを見殺しにせざるを得ない……。きっと、彼等にとってもこんな口惜しいことはないでしょう。

 

これは原子力施設への攻撃にも言えるでしょう。今回のロシアによるウクライナ侵攻を例に取れば、ロシアに攻撃された原子力施設で放射能漏れがあったり、あるいはそれが予測されるのであれば、医療チームは派遣できない=被害者を見殺しにせざるをえない、ということです。核兵器の使用や原子力施設への攻撃が如何に残忍なことなのか、非人道性の視点からも議論して欲しいものです。

 

また、天災などで原発事故の場合は救助に向かうにしても同じ事でしょう。「原発事故を起こさないための対策を万全に……」なんて御題目を上げるばかりでなく、それでも事故が起きて、避難できない人がでた場合に現実的な対応ができるのか、という始点からも原発の設置の適否についても議論をして貰いたいものです。

 

 

病院船は平時にはなにをやるのか

それで、平時には何をやるのかということになりますが、一つは研修・研究施設としての利用です。研修医も乗せて実践的に勉強してもらいます。また、寄港地(訪問国)で、その国の医療事情に合わせて柔軟な対応ができるような勉強もしてもらいます。

訪問地(国)では医療・保険システム、その国にある感染症に関する勉強をしたり、その調査や研究成果などを発信して医療の発展に貢献するというのもありですかね。更には、船上には総合病院並みの色々な診療科目の医師たちが乗船しているので、いろいろ相互に研修し合えばDoctor Xのような「何でも一通りは出来ちゃう医師」が育つのかも知れません。

 

外国の医療事情は知らないので実際に必要性があるのかわからないのですが、医療事情によって子ども達の定期健康診断が充分にできていないようなところでは、1〜数年ごとに訪れて集団検診をやると言うこともありうる様な気がします。電子カルテを使って各国の病院船間で情報を共有すれば、次回違う船が行っても大丈夫ですから。

 

場合によっては、小さなチームが現地に残って活動し、1年後位に船に戻るって事も考えられるのかな、などと妄想が広がっていきます。もしかすると、「私はここに残って、一生ここの人達に貢献したい。」なんて言う医療人がでてきても、それはそれでいいのかな、って。

  

えっ! 「日本の医師などが外国で医療行為をやって問題にならないのか?」って?

………………………… そういう難しいことは今度考えましょう。

 

そろそろ診察の時間なんで。