本当にヤバイ! 憲法に自衛隊 + 緊急事態条項 米軍に自衛隊を差し出す安倍首相 | 野良猫の目

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今年の3月に自民党憲法改正推進本部案の改憲案がでて後、このブログで気付いたことを書いてきましが、アベ首相の総裁三選により、改憲が国会に発議されるような発言がでてきました。

 

そこで、改めて、アベ首相の主張である自民党憲法改正推進本部案の「憲法に自衛隊を書き込む」ことと「緊急事態条項」に絞って、こじつけも含めて「この憲法ならここまで出来る。」という視点から、問題点を整理してみました。異論もあるかと思いますが、この政権で、最も警戒しなければならないのは、「まさか、そんなことまでやらないだろう。」ということを臆面も無くやってしまうことだと考えています。

 

 

「緊急事態」には、「外国からの武力攻撃」や、「内乱等による社会秩序の混乱」も含まれる可能性があるという前提から、緊急事態条項の問題点を先に挙げ、自衛隊を憲法に規定することの問題を後にしました。

 

 

1.緊急事態条項(推進本部案の第64条の2 第73条の2)により;

① 緊急事態には、大地震などの天災によるものに限らず、「外国からの武力攻撃」もめることができる(国民保護法第2条第4項)。また、法律で定めることにより「内乱等による社会秩序の混乱」を含めることもできる(第64条の2、第73条の2第1項)。

② 緊急事態中に任期が満了する議員については、国会の決議で任期を延長することができる。これを繰り返せば無制限に任期を延長することができる(第64条の2)

③ 緊急事態下で制定される政令は、「独立命令」を呼ばれるもので、法律と同等の効力を持つ(罰則を付けることもでき、この政令で既存の法律の規定を無効にすることもできる。)(第73条の2第1項)。これにより、政権が好き勝手に人権を制限できるようになる。

④ ③の政令は事後に国会の承認を求めることになっているが、いつまでに国会に承認を求めなければならないのか、承認が得られなかった場合の取り扱いはどうするのかが定められていないなど、国会が蔑ろにされる危険性がある(第73条の2第2項)

⑤ 一度発令されたら政府が撤回しない限り、いつまでも続く可能性がある。こうなると、政府が暴走しても歯止めがかけられない

 

 

2.自衛隊を固有名詞で書き込む(推進本部案第9条の2)ことにより;

① 自衛隊は内閣からは独立した機関となる(第1項)

② 自衛隊は、総理大臣が専権的に指揮を執り、閣議を経ることを要しない(第1項)

③ 「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置」の範囲が抽象的かつ曖昧であり、時の政権が必要と認めてしまえば、法律を改正して(緊急事態下では政令により)自衛隊の行動内容を決められる(第1項)

④ 個々の行動については、必ずしも国会の承認を要しない(第2項)自衛隊は、日米の指揮権密約(吉田首相とクラーク大将による1952年7月23日付け口答密約)(※により、緊急事態時には米軍司令官の指揮の下、世界の何処でも戦闘に参加するようになる。

※:「『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』矢部宏治著 講談社現代新書」第8章、第9章 を参考にしました。

⑤ 緊急事態条項とセットすることで、銃口を国民に向けることも含め、時の政権(場合によっては米軍)が意のままに自衛隊を動かすことが出来る。

 

以上のように並べると、緊急事態条項と憲法に自衛隊を書き込むことは連動していることがわかります。

 

また、第9条の2に「国会の承認その他の統制に服する」と、必ずしも国会の承認を要件としていないのも、「既存の日米の密約により自衛隊が米軍司令官の統制の下で行動すること」を想定しているのではないかと勘繰ることができます(つまり、総理大臣が自衛隊に対して米軍司令官の指揮の下で行動するよう命じることになります。)。

 

安倍首相は、2015年4月の米国連邦議会上下両院合同会議での演説を、外務省のサイトでは、意図的としか考えられない誤訳を載せていました。また、国会でも同じ発言をしていました。

 

過去のこのような国民への“騙し”を考えれば、今回の改憲案も、「本当に大事なところは隠している。」という前提で、自民党案の一字一句を疑って読んでみる必要があるでしょう。

 

 

参考:

【自民党憲法改正推進本部案】

第9条の2 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高指揮監督者とする自衛隊を保持する。

2 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

 

第64条の2  大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の3分の2以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。

 

第73条の2  大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。

2 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。

 

【国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)

(第2条第4項)

4 この法律において「武力攻撃災害」とは、武力攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害をいう。