以前もご紹介したヒューレットパッカード製デスクトップパソコン『Pavilion Wave』です。
初めてこのパソコンを見た時、
「MacProを真似したのかな?」と思ってしまいました。
ひとつ前のMacProですね。
ゴミ箱って揶揄されたアレです。(今は大根おろしだっけ?)
一応、本体の冷却とか、なんかそれを意識しているらしいんですけど、
実はそういうわけでなく、超高級オーディオメーカーB&O(バング&オルフセン)監修の
スピーカーを搭載させるってことで、こんなデザインになったみたいです。
その構造は後ほど紹介するとして、
今回、お預かりしたのはACアダプタを接続しても電源が入らないというものです。
ここもMacProと大きな違いで、MacProは本体に電源を内蔵していますが、
HPは電源を内蔵していません。ACアダプタからの電源供給になります。
そのACアダプタも、差し込むとACアダプタのLEDが消灯してしまうので、
マザーボードに問題があるのではないかと疑いました。
お客様も、HPに連絡してあーだこーだやったそうですが、
最終的には、パソコンを送ってくれって言われたそうです。
ところが、
「修理するもしないも、診断料で7000円いただきます。」
と言われてしまって、私に相談したというわけです。
なので、一度マザーボードのリチウムボタン電池で外してもっかいやってみよう
ということになりまして、分解する次第です。
そして、そのリチウムボタン電池は、SSDが装着されているマザーボードの裏に仕込まれているみたいで、
もう全ばらししかやりようがないということに絶望。
まあ、直らなかった時、どっちゃにしてもSSDを取り出して、データを救出しなければならないのですから、
分解することに変わりはありません。
写真は、底面を外したところ。
まず分かりやすいネジを外すと、こんな感じです。
中央に鎮座しているのは、スピーカーです。
例のB&O監修のね。
MacProでは、中央にファンが搭載されており、底面から空気を吸って、
上部へ流すエアーフローができており、それで筐体を冷やすという工夫がなされています。
しかし、HPはそこにこんなスピーカーがあるわけですから、
エアーフローは完全に遮断されています。つまり、そういう構造になってないのです。
そして、見えるところのネジを外していくのですが、
イチバンやっかいなのは、HDDが仕込まれている面のここ。
超長いドライバー(しかもトルクス!もしくはマイナス)を使わなければネジを外せません。
こういうアホな構造ってのも、しくじった要因じゃないでしょうか。
いろいろバラしてこんな感じ。
結局、本体の冷却は、本体を覆っているカバーがメッシュ仕様になっているから、
それでやってしまおうという事なんでしょうね。
CPUにもちゃんとファンが付いてましたし。
ここまでやるのに、どんだけイライラしたことか。
SSDやリチウムボタン電池は、このマザーボードの裏です。
なので、シャーシから外さなければなりません。
やっとこさ。
くるっと。
んで、結果としてリチウムボタン電池を取り外しても症状は変わりませんでした。
おそらく、マザーボードがどっかでショートしているのだろうと思います。
なので、お客様にはその旨をお伝えして、買い換える方向にシフトしていただきました。
んでもって、このSSDを取り外して、新しいPCに装着したところ、
起動してしまったのはナイショだよwww
そして、このモデルはこのあと、定番化することなくこの一代で終了してしまったみたいですね。
お客様も、メーカー希望小売価格の半額以下で購入したとおっしゃってました。
そこまで売れなかったんでしょうね。
あと、B&Oですが、あくまで私個人の感想ですが、
近年はブランドを大安売りしているような気がします。
私が勤め人だった頃は、『BeoSound』などのデザインとオーディオを融合させた
魅力的な製品を展開し、一定のファンも獲得していたような気がします。
音質はアレだけど、デザインが素晴らしい!っていう人も。
ところが最近は、こういうコラボとか、ヘッドフォンとか、
チョイと前までは、そう易々と手に入らなかったのに、普通の価格で手に入ってしまいますからね。
あのB&Oってイメージはもうないですね。
私に言わせれば、『地に落ちた』なって感じです。
そのうち、オンキヨーと同じ運命を辿るのではないでようか。
オンキヨーもパソコンのスピーカーに採用してもらうなどのOEMに
強化しようとしてしくじりましたからね。
ま、ぶっちゃけB&Oがそんなに音が良いのか?といわれると、
デザインだけのオーディオメーカーじゃね?ちうのが私の意見ですが。