現在、愛知県では、午後4時前にCBCテレビで『水戸黄門』が放映されています。
こう見えて、時代劇が好きなものですから、チョイチョイみてます。
特に最後の殺陣の部分、そして印籠を見せて悪人を説き伏せるシーンは痛快ですね。
m9(^Д^)9mザマァみたいな感じで。
それにしても、あの印籠と水戸光圀の存在で、
どんな悪人でも頭を下げる(抵抗を止める)って、よくよく考えると不思議じゃないですか。
もしそんな事が可能なら、立てこもり事件だってすぐ解決できそうですよね。
犯人に対して、警察庁長官が説得したら、抵抗を止めてひれ伏すんですから。
でも、あのドラマの中では可能なんですよね。
というか、ドラマに限らず、江戸時代では似たような事はあったのではないでしょうか。
どうして、水戸光圀はそれが可能なんでしょうか。
ちょっと不思議に思いましてね、色々と考えてみました。
まず、ドラマの中で水戸光圀ってどんな人か、整理してみましょう。
印籠を出した際に、拡散が『先の副将軍』と水戸光圀を紹介しています。
昔のドラマでは、『先の(権)中納言』とも紹介していますね。
ここに、光圀さんの立場が分かります。
時代は江戸、4代将軍徳川綱吉の治世です。
その中で『副将軍』という事は、将軍に次ぐ役職と分かります。
ちなみに、この役職は本当はないみたいで、
ドラマの中で視聴者に分かりやすくするために言い換えられてたようです。
であるにしても、幕府、特に将軍に対して直接モノを言える立場であることは想像できます。
そもそも、光圀さんは、家康の孫ですからね。
そして、その元となったのが、『中納言』。
枕草子の作者は清“少納言”ですから、少なくとも彼女よりもエライわけで(笑)
これは朝廷の役職を表します。加えて、朝廷での序列は従三位(上から6番目)です。
ちなみに征夷大将軍も朝廷の役職であり、そして将軍の序列は従一位(上から2番目)です。
一般的に大名と呼ばれる○○守(かみ)と呼ばれる人達は、従五位下(上から14番目)になります。
江戸時代になって、平安時代と比べて朝廷(天皇や公家)が表にでてこなくても、
やはり朝廷の影響力というのは強いです。
徳川家が、どうして日本を統治しているのか?という根拠にもなっているから。
そして、大体悪さをするのは、朝廷から役職も官位も与えられない小童ですから、
光圀さんが、遙か上の方というのが分かるでしょう。
でも、だからといって屈服するか?なんです。
先の問いに戻ってしまいますが。
だいたい、光圀さんが悪人を裁く時、最後に『藩公に厳しく罰してもらいますぞ』と締めています。
いくら先の副将軍でも、他藩の事に口出しはできません。本当ならね。
ではどうするかというと、その藩を治めている殿様に、
水戸光圀の名前で「おたくの役人(奉行など)が悪さをしてますが」とお伺いを立てるのです。
さすがにの殿様も、光圀さんからツッコミを食らっては対応せざるを得ません。
なぜなら、光圀=綱吉=幕府、場合によってはお家の不祥事で、
藩として何かしらの罰を受ける可能性があるかもしれないのです。
最悪、お取り潰しになる可能性もあります。
さらに、朝廷での官位も高い。官位剥奪も考えられます。
したがって、殿様は、幕府での立場を失うと同時に、朝廷での立場も失われることにもなります。
そして何よりも、メンツが潰されてしまうというのがイチバン痛いところでしょう。
藩の中から、不届き者が出たなんてのが、幕府に知られたら・・・。
ま、光圀さんはそうならないように、あくまでもお忍びと言う事で内密に済ませますがね。
それがまた余計に、光圀さんに恩義を感じるというか・・・。
というような諸々の事情で、大概光圀さんの言うとおりにします。
ドラマでは後日談があまり語られないので、最終的にどうなったか分かりませんけどね。
悪人側からすれば、そんなスゴイヤツがツッコミを入れるんですから、
そりゃ生きた心地がしないでしょう。
なので、屈服せざるを得ないというのかな。
そう思うと、この時代、権威(朝廷)と権力(幕府)を上手に使っていたなと思います。
もうちょっとこの辺について、色々調べると面白いんでしょうが、
いかんせん、時間がないですね(;^ω^)
そうそう、官位の一番上、正一位は、基本死なないともらえません。
それも、ハードルはメチャメチャ高いです。近代に入って贈られた人はいませんね。
また、官位という制度は、現在もまだあります。
国務大臣経験者や国会議員、学術、芸術の分野で功績を挙げた人等に向けて、
死んだ後、与えられるそうです。
ということは、今でも朝廷が生きているわけです。
天皇陛下がおわしますから、当たり前ですが。