かつて豊川にあった『いきいき温泉さながわ湯』。
現在は取り壊され、『Vdrag』になってしまいましたが、ここは良い銭湯でした。
こう地域密着型の銭湯というのは、地域のコミュニティーとしても機能しており、
行けば誰かがいる、楽しい空間となっています。
最近は、極楽湯やコロナの湯など、いわゆるスーパー銭湯が進出してきた影響で、
このような地域密着型の銭湯がなくなってきました。
銭湯がなくなるという事はコミュニティーもなくなることを意味します。
ただ、『お湯につかる』だけだったら、それこそ極楽湯やコロナの湯でも良いんですが、
コミュニティーとしての機能を求めるとなると、それらはその役割を果たしません。
だから、銭湯がなくなったかと言って、
そのお客様が、他へ流れるということはなかなかないんじゃないですかねぇ。
ところで、そこでコミュニティーが形成されるということは、
『暗黙のルール』というのも存在します。
といっても、そんな厳しい・面倒くさいものではなく、いわゆる“マナー的なもの”です。
銭湯でサウナに入ってますと、定期的にスタッフがサウナマットを交換しに来ます。
『いきいき温泉』では、お客さんが積極的にその手伝いをしますし、
マットの交換が終わるまでは、新しく敷かれたマットに座ることはありません。
しかし、極楽湯ではお客さんがスタッフのお手伝いをすることもなければ、
新しいマットが敷かれると、我先にその新しいマットに座ってしまいます。
その横で、スタッフがマットを交換していても、我関せず。
せめて、「マットの交換が終わるまで待てよ」と思いますが、
いきいき温泉での光景が当たり前だったので、ある意味衝撃でした。
コミュニティってのは、地域住民の交流の場としての他に、
社会のルールを学ぶ場所でもあると思います。
それがなくなってしまったが故に、
いわゆる道徳心とか、思いやりの心が薄れているのかもしれません。
そう思うとね、やっぱり心身ともに癒やされるのは、
地域密着型の銭湯がイチバンかなと。
この辺だと、もう千人風呂しかないかなぁ。