クラシック音楽とお散歩写真のブログ -19ページ目

クラシック音楽とお散歩写真のブログ

座右の銘は漁夫の利、他力本願、棚から牡丹餅!!
趣味のクラシック音楽をプログラミングする事に没頭、あとは散歩中に写真を撮りまくること。

中学受験応援しています。

 

 【DTM】フンメル/24の練習曲(全曲)

今回の24の練習曲は一部再編集、映像作り直し全曲通しての映像です。
Programed by Hummel Note in 2024
Daw&Sequencer:SSW10 Lite & Music Pro for Windows V5
Sounds:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA5
 
-----------------

 フンメルの24の練習曲は、パリの出版社アリスティド・ファランクのために作曲されたもので、彼は当時のヴァルトォーゾピアノ曲の流行に乗ろうと考えており、当時の大御所であり、1828年に出版されて大ヒットしていたピアノ奏法の著者でもあるフンメルに依頼し、1833年に出版された。同年の少し前にショパンが12の練習曲 作品10を出版していたがほぼ同時期に24の調すべてそろえたフンメルの作品が先に完成したこととなる。ショパンが残りの12の調で練習曲の後編を出版したのはフンメルの死の年でもある1837年であった。
 
 面白いことにフンメルとショパンの練習曲には数曲であるが類似性のある曲があり、聴き比べも面白い。ただし、ショパンの曲集の方が標題性のある曲が多いのは周知のとおりである。
 
 ウィーンとロンドンでも同時に印刷されたが、その後のドイツ版などは数曲抜け落ちていたり、曲順が変わっているものもあったため、ファランクの版を使用することが望ましい。

 

8a59da6faa6d26bc2f2c05ea1f99cba84b923d84f1ef040f8699127ce678bf6c ちなみに、アリスティド・ファランクは、女流ピアニスト兼作曲家のルイーズ・ファランクの夫である。ルイーズ・ファランクの旧姓はジャンヌ・ルイーズ・デュモン(Jeanne Louise Dumont)といい、両親ともにフランドル系美術家(彫刻家)の家庭に生まれる。幼少からピアニストのセシル・ソリアにピアノを師事。15歳のときパリ音楽院でアントニーン・レイハに作曲と音楽理論、楽器法を師事。その後フンメルにピアノの薫陶を受け、後年助言を仰いだりもしていた。1821年にフルート奏者で楽譜出版業のアリスティド・ファランクと出会って結婚。1826年に一人娘のヴィクトリーヌを出産。彼女もまた母親同様に職業ピアニストの道を歩んだ。

 

 

   にほんブログ村 音楽ブログ DTM・MIDIへ にほんブログ村 クラシックブログ クラシック作曲家へ
 

 

買っちゃダメな音源↓ 

 

ちなみに 私が作成したMidiデータから勝手に音源化して販売しているインチキからは絶対買わないでください。

例えば↓

 

 

 

以上 買っちゃダメなやつ↑ 

 

 

これらは私の元々のデータが 6曲ごとまとめて4つのファイルで公開したからであり、絶対私のYoutubeの音の方がましです。しかも無料(笑)

 

レコーディングは比較的多いですが手に入れやすいものとして下記に紹介します。

 

買ってもいい音源↓

 

 

 

 ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調Op.81が作曲出版されたのは1819年です。ベートヴェンは早速この曲を弾いて「こんな難解で弾くことのできない曲はダメだ」と言い放ったといわれています。
 それだけ当時としては破格の演奏技術を要求される曲だったわけです。
そして面白いことにベートーヴェンはこの曲に対抗しようと同年内に「ハンマークラヴィア・ソナタ」を作曲して出版しています。ベートーヴェンは技術的には対抗し、音楽的には単なる「難解さ」を「情熱的」に表現して音楽性の自らの優位性を誇示しようとしたのかもしれません。
 ただ、フンメルのこの曲の出版後すぐに挑戦するピアニストが多数現れましたし、先のベートーヴェンもしかり、シューベルトやヴェーバー、さらにロマン派の作曲家たち、とくにショパン、リスト、シューマンらに影響を与えました。実際に彼らに加えその後の世代アルカンやメンデルスゾーンからブラームスに至る作曲家の様式的発展を予期した曲と言えるでしょう。
 
 この曲はショパンはこの曲が自身のピアノ・ソナタ第3番への教材となったとし、ブラームスのピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調Op.16にも影響を与えた可能性があります。
 シューマンは、この作品に対し「この曲だけでフンメルの名を不滅のものにする」と述べたといわれています。


 
 第一楽章はソナタ形式のアレグロ。この楽章はこの時代のソナタでは通常の提示部の反復はなく、テンポの変化も多く、強弱の移り変わりも多く、演奏者を激しく疲弊させます。また「形式的に構成されたソナタの第1楽章よりもファンタジーに近い、文体の融合」と評されていました。
 
 冒頭は両手が全打音があるオクターブのユニゾンでドラマチックに開始されます。すぐにテンポを落として重いひきづるような歩調で進むかと思うと突然テンポを速めて何かを叫んで休止します。この楽章はこうして停止したり、開始したり、速度を落としたり、テンポを戻したりしながら展開し、本当に「落ち着きがない」曲で主題と経過部の区分けもあいまいです、支離滅裂という言葉で表したくような曲です。
二重トリルや三度の重奏も多用されているので演奏者には熟練したテクニックに加え、この曲を演奏するための訓練が必要です。
 
 聴き手も混沌とした曲の展開についていくために神経を使います。展開部に入ると特定のモチーフが変調を繰り返します。嬰ヘ短調、変ロ長調、ト短調、ハ長調、イ短調、嬰ヘ長調、嬰ヘ短調、最後は嬰ヘ長調でリズムの感じられない混沌としたパッセージを挟んで終わります。
 
私もこの曲を初めて聞いた時はその難解さゆえにあまり好きになれなかった曲です。モーツァルトの弟子として生涯わたってリスペクトする曲を作り続けたフンメルの中では最も「異質」な存在と言えるでしょう。
 
 第二楽章はラルゴ・コン・モルト・エスプレッションのロ短調。この楽章の冒頭もダブルフォルテのユニゾンで、人間の「驚き」を表現しているかのようなモチーフで始まります。第一主題の前に導入モチーフがあるのです。
 続く第一主題はロマン派の音楽です。そこにはショパンやシューマンと言った後の音楽家の登場を予見しています。
 そして第一楽章と同様にリズムがあったり、無くなったり、調が安定したり無調的になったり、さらに多くの装飾とアインガングとカデンツァが差し込まれて、混沌として虚無な重たい世界観を聴く者に強制してきます。この曲も難解です。
 
 第三楽章のフィナーレはロンド形式のヴィヴァーチェ。この曲の一番演奏技術が問われる楽章です。この楽章の譜面を見ると前の二つの楽章は、このロンドの為の運指訓練に過ぎなかったのでは? と思えてしまうほど。実際のプロの演奏であっても苦労して弾いていると感じるものが少なくありません。
 
 主題はテンポの速いスラブ舞曲のような、この曲全体の中では輪郭のはっきりしたメロディーで始まります。フガート書法ではじまる第二主題と共に何度か繰り返され展開していきますので全体の曲の輪郭は、前の二つの楽章より明確ですが、はやりテンポの中で繰り返し現れる二重トリルや三度の重奏パッセージ、両手全ての指が必要かつ別々の動きを要求させてくるなど技巧的です。
 
 今回のプログラミングする際に、第一楽章はフンメルの指示した速度よりやや遅め、第二楽章は指示通り、第三楽章は指定速度よりかなり遅め、で生成しています。

Programming Music Johann Nepomuk Hummel
Piano Sonata No.5 in F#-minor,Op.81
00:08 - 1.Allegro
08:55 - 2.Largo con molto espressione (in B minor)
17:31 - 3.Finale:Vivace
 
Computer Programming : Hummel Note(Mikio Tao)
Programed by Muse Score4
Sound:Muse Score4 & MuseSounds Grand Piano
Re-Edit Mix & Matering:SSW10 Lite 
 
https://hummelnote.wixsite.com/hummelnote/en
http://hummelnote.doorblog.jp/

 

   にほんブログ村 音楽ブログ DTM・MIDIへ にほんブログ村 クラシックブログ クラシック作曲家へ

 

 
Programming Music Johann Nepomuk Hummel
Piano Sonata No.2 in E-flat,Op.13”Alleluia”
Computer Programming : Hummel Note
Programed by Muse Score4
Sound:Muse Score4 & MuseSounds Grand Piano
Re-Edit Mix & Matering:SSW10 Lite 

ベートーヴェンが「ワルトシュタイン」(1803)や「熱情」(1805)といったソナタを発表していた同時期、1805年に出版されたフンメルのピアノソナタの第2番は「アレルヤ・ソナタ」と呼ばれることがあります。

 

それは第1楽章(Allegro con brio)変ホ長調のテーマがグレゴリオ聖歌の「アレルヤ」のメロディーを取り入れられているところから、とされています。ただし私はグレゴリオ聖歌を全部聞いたことがないので、どの部分なのかは解っていません。
 

 

冒頭のファンファーレで幕開けすると対位法的手法でアレルヤのテーマが奏でられます。
しかしそれはすぐにシンフォニックな和音の行進曲へと変化します。このあたりまで聞くと、ロココではない古典派の交響曲のような雰囲気をまとっています。ちょっと異なりますが、個人的にはこのソナタの冒頭を聞くとモーツァルトのハフナー交響曲の類似性を感じます。左手のスタッカート伴奏にメロディーが乗っている感じがハフナー交響曲の第一楽章に出てくるモチーフにそっくりです。

 

第2主題になると変ロ長調の優雅で歌うような旋律が現れ、落ち着きと安らぎをもたらします。そのメロディーを三連符で彩どりながら発展させていき一旦完全終止となります。主部が繰り返された後に冒頭のファンファーレを転調させながら展開部に突入しますが、すぐに第1主題のアレルヤのテーマが少しだけ現れるとシンフォニックな和音と行進曲的な部分が複雑に交差しながら、冒頭のファンファーレも変形して絡み合い、混沌とした世界観にひきづりこまれていき、音のシャワーに溺れそうになった時に再びアレルヤのテーマが現れ救われた気分になります。

 

 

同時期のベートーヴェンの感情に訴えかけてくるものとは種類がことなり、隙間なく空間を埋め尽くした音が脳の感覚に浴びせてくる感じ(表現が浮かびません)。ひとことで言うと「明るく煌びやかなブラプーラ奏法のソナタ」となるでしょうか。。。

 

 

第2楽章(Adagio con gran espressione)変ロ長調 2/4。表現豊かなアダージョという意味ですが、そのタイトル通り冒頭のアルペジオの4つの和音が幻想的な雰囲気を打ち出していきます。このアルペジオが繰り返されながら転調していき、経過部が短調繋がれているため、聴く者を不安な気持ちにさせていきます。そしてこの楽章のメインの性格ともいえる「ドン・ジョヴァンニ」の序曲のイントロにも出てくる決闘のシーンの音楽にも似た、不安感が上昇していくパッセージが非常に感情に訴えかけてきます。これ、長調と短調を行き来するモーツァルトの音楽とロマン派の情熱が交差した新しい(当時)音楽ですよね。

 

 

第3楽章(Allegro con spirito)は変ホ長調に戻ってのロンドソナタ、4/4。

 

ハイドンのソナタや交響曲フィナーレに類似している冒頭のテーマ。そこからとんでもないスピード感あふれるアルペジオと鍵盤を叩くかのようなリズムを繰り返しながら、目まぐるしく曲が展開していきます。第2主題はちょっと落ち着きを取り戻しますが、この部分を聞いているともはやベートーヴェンを聞いていかのようです。
録音されているこの曲の実演では、ゆっくり目に演奏しているものと速く疾走していくものとありますが、私は速いテンポで設定しました。とコスタンティーノ・マストロプリミアーノの演奏を参考にしています。
 

 

それにしても当時これを生演奏で聞いたらたまげただろうと思われます。若きフンメルの演奏技術を駆使した意欲作と言えます。

 

 

 

   にほんブログ村 音楽ブログ DTM・MIDIへ にほんブログ村 クラシックブログ クラシック作曲家へ