【DTMクラシック】モーツァルト/ラテン語劇『アポロとヒアキントゥス』K.38-序曲 | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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モーツァルトのケッヘル番号38(K.38)は、彼がわずか11歳(1767年)の時に作曲したラテン語の劇音楽『アポロとヒアキントゥス』(Apollo et Hyacinthus)です。同年5月13日にザルツブルク大学で初演された序曲(イントラーダ)と3幕9曲(アリア、二重唱、合唱など)からなる
モーツァルトにとって実質的な「初めてのオペラ(世俗劇)」となります。

作品の背景とあらすじ

本作は、ザルツブルク大学(ギムナジウム)の学年末に上演される学校劇の幕間劇(インテルメッツォ)として依頼され、作曲されました。物語のベースはオウィディウスの『変身物語』にあるギリシャ神話ですが、学生が演じる学校劇という性質上、内容に手が加えられています。
原作にあった同性愛的な要素は排除され、ヒアキントゥスとゼピュロスは友人同士として描かれました。さらに、ヒアキントゥスの姉であるメリアという架空の人物を追加し、アポロとゼピュロスがメリアを巡って対立するという、道徳的で健全な恋愛劇へと改変されています。

音楽的特徴

『第一戒律の責務』に続く舞台作品ですが、実質的にモーツァルトの「最初のオペラ」と見なされています。11歳の少年が書いたとは信じがたいほどの高い完成度を誇り、各登場人物の心理描写を伴うレチタティーヴォや、オーケストラによる感情豊かな伴奏付きレチタティーヴォ(モーツァルトの全作品中で初とされる)など、のちの大オペラ作曲家としての才能の萌芽がすでに随所に現れています。

序曲(イントラーダ)の楽曲解説と批評

 

Programming Music
W.A.Mozart/Intrada to “Apollo et Hyacinthus”, K.38

 

 

 

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Daw&Sequencer:DoricoPro
Sounds:NotePerformer
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【楽曲構成】

 

  • 調性・拍子: ニ長調 / 4分の3拍子

  • テンポ: アレグロ(Allegro)

  • 楽器編成: オーボエ2、ホルン2、弦楽部

  • 形式: 単一楽章の小規模なソナタ形式

【序曲批評】
本作の序曲は「イントラーダ(Intrada:入場音楽・前奏曲)」と銘打たれており、演奏時間はわずか3分弱という非常にコンパクトな造りです。しかし、その短い時間のなかに、若きモーツァルトの驚くべき吸収力と天才的な職人技が凝縮されています。
1. イタリア風シンフォニアの完璧な消化
当時の流行であったイタリアのギャラント様式を完全に取り入れており、推進力のある弦楽器の刻みと、オーボエ・ホルンによる華やかなファンファーレ風の響きが特徴です。複雑な対位法などは用いず、シンプルで快活なソナタ形式をストレートに提示することで、これから始まる祝祭的な学校劇の幕開けにふさわしい、ワクワクするような高揚感を生み出しています。
2. 11歳にして備わっていた「劇場の色彩感覚」
後年の『ドン・ジョヴァンニ』や『魔笛』の序曲に見られるような、劇中主題を緻密に織り込むような深いドラマ性や複雑な展開はまだありません。しかし、ホルンの力強い保続音(ペダルポイント)や、弦楽器の細かなアーティキュレーションによって生み出される光と影のコントラストには、すでに「劇場空間を音でどう満たすか」という天性の色彩感覚が発揮されています。
3. 総評
この序曲は、単なる「天才少年の習作」という枠を超え、初期古典派の爽やかなシンフォニアとして自立した魅力を持っています。劇の規模に合わせた短い尺の中に、無駄のないオーケストレーションと瑞々しい旋律美を詰め込んだこのイントラーダは、モーツァルトがのちに開花させるオペラ作曲家としての才能を最も分かりやすく伝える「最初期のオーケストラ作品の代表作の一つ」と評して過言ではありません。

 

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