1984年にリリースされた「What About Me?(ホワット・アバウト・ミー)」は、ケニー・ロジャース、キム・カーンズ、ジェームス・イングラムという実力派トップシンガーがヒットさせたデイヴィッド・フォスタープロデュースによる大ヒットバラードです。
デヴィッド・フォスターのキャリアの中でも、彼の持ち味が存分に発揮された1980年代を代表するAOR(アダルト・コンテンポラリー)の名曲の一つとして知られています。
楽曲の基本情報
リリース:1984年
収録アルバム:『What About Me?』(ケニー・ロジャース)
作詞・作曲:ケニー・ロジャース、デヴィッド・フォスター、リチャード・マークス
プロデュース:デヴィッド・フォスター、ケニー・ロジャース
チャート成績:全米ビルボードHot 100 15位、全米ACチャート 1位
楽曲の魅力と裏話
1. 奇跡のトリオ誕生までのキャスティング
この曲は、3人の男女の感情が交錯する「3ウェイ・ラブソング」として書かれました。実は、最初からこの3人のメンバーだったわけではありません。
当初ケニー・ロジャースは、ライオネル・リッチーとバーブラ・ストライサンドとのトリオを構想していました。しかし二人が辞退したため、次はオリビア・ニュートン=ジョンとジェフリー・オズボーンに声がかかります。最終的に彼らともスケジュールが合わず、特徴的なハスキーボイスを持つキム・カーンズと、ソウルフルな歌声のジェームス・イングラムというラインナップに落ち着きました。結果として、異なる魅力を持つ3つの声が見事に調和する奇跡的な名録音となりました。
2. デヴィッド・フォスターによる「AORの極み」
サウンド面では、当時のデヴィッド・フォスターの真骨頂である「究極の洗練」と「ドラマチックな展開」が光ります。
鉄壁のLAミュージシャン: ジョン・ロビンソン(ドラム)、ネイザン・イースト(ベース)、マイケル・ランドウ(ギター)など、当時の西海岸サウンドを支えた最強のセッション・ミュージシャンたちがアルバムに参加しています。
立体的なアレンジ: フォスター自身の演奏によるきらびやかなエレクトリック・ピアノとシンセサイザーのレイヤーが楽曲を包み込みます。静かなイントロから始まり、終盤に向かって3人のボーカルがダイナミックに絡み合いながらフェイク(即興的なメロディ)を乗せていく展開は、まさにフォスターの十八番(おはこ)です。
3. 若きリチャード・マークスの出世作
作詞・作曲には、当時まだ歌手デビュー前だったリチャード・マークスが名を連ねています。
ケニー・ロジャースに見出され、ロサンゼルスに呼ばれた若き日のマークスにとって、この曲はソングライターとして初めてチャート1位(ACチャート)を獲得した記念すべき出世作となりました。数年後に「Right Here Waiting」などで世界的スターとなる彼の才能が、ここでいち早く開花しています(ちなみに、マークス自身もこの曲のバックコーラスに参加しています)。
「What About Me?」は、名シンガーたちの熱唱、超一流ミュージシャンによる演奏、そしてデヴィッド・フォスターの計算し尽くされたプロデュースワークが完璧に噛み合った、80年代バラードのひとつですが、当時はAORを聞きまくっていました。
4. 制作ノート
今回はこの曲が持つ美しさは3人の声が重なったところだと思い、ボーカル部分をテナーサックス二本とアルトサックス1本を当ててハーモニー重視で作りました。耳コピでの限界もあり、ベースの動きなどにはあいまいな点がありますが、暖かくどこか懐かしい雰囲気を感じ取っていただければと思います。
【DTM】ケニー・ロジャース/What About Me?
Programming Music
Kenny Rogers/What About Me?
Produce : David Foster & Kenny Rogers
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico 6 pro
Sounds:HALion Sonic7, NotePerformer5
Image courtesy of Getty Images
