フンメルのミサ曲は全部で5曲。
◆ミサ 変ロ長調Op.77
◆ミサ 変ホ長調Op.80
◆ミサ ニ長調Op.111
◆荘厳ミサ ハ長調WoO.12(S.74)
◆ミサ ニ短調WoO.13(S.67)
作品目録では知っていましたが、1997年当時はフンメルのミサ曲の録音いEMIから「ミサ 変ホ長調Op.80」が録音されているらしい ということしかわからず、廃盤だったため聞けませんでした。
2000年ころにオーケストラスコアを発見してすぐに取り寄せ購入。譜面作成ソフトでチマチマ打ち込んでいた記憶がよみがえります。
その後すぐに様々な曲がレコーディングされ、フンメルのミサ曲はすべて聞ける時代になりました。ここでいくつか紹介します。
フンメルのミサ曲はハイドン、モーツァルトからシューベルトへと受け継がれていくオーストリアの古典派ミサ曲の典型で、華麗かつ大編成、対位法を駆使した楽曲も含まれる大作ぞろい。フンメルの宗教作品はその殆どが、若い時代、ハイドンの後継者としてエステルハージ宮廷時代のもの。
モーツァルトのミサよりもハイドンの後期の作品に類似しており、この分野では明らかにベートーヴェンの同時期の作品(Op.86)よりも手馴れた作品に仕上がっています。
1806年に作曲された「荘厳ミサ ハ長調WoO.12(S.74)」の打込音源です。
楽器編成は、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン1、ティンパニー、弦5部、ソロ、コーラス。
打込は2005年、2015年にGARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 4という音源で制作しものです。
第1章 キリエ(主よ憐れみたまえ)
第2章 グローリア(天の神に栄光)
第3章 クレード(唯一の神を信ず)
どっしりした楽曲で、揺るぎのない信仰心を伝えるかのような大地を踏みしめる音形のテーマが展開されていきます。対位法書法もふんだんにみられ、壮大な大地と空を描きながら展開していきます。まさしくこのミサ曲の一番の聴き所でしょう。
第4章 サンクトゥス(聖なるかな)
第5章 ベネディクトゥス(祝福されし者)
トロンボーンとトランペットが印象的なアクセントを奏でます。
第6章 アニュスディ(神の子羊)
静寂な神への祈りに続き、壮大なフーガへと展開していきます。アニュス・ディの終結部は2種類残されており、静かに終わるものと、大規模で華やかなコーダがあるものがあり、後者はロンドン公演用に書き換えられたものと思われますが、今回はこちらを採用してみました。