(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)
第119話 変人
「何も特別なことはしてませんよ。ただ、
武さんの今の状況を武さん自身に見て
もらっただけです。」
「はあ。」
「あ、家にこもっているのが悪いとかそういう
ことを言ったんじゃないですよ。」
浅井は、涼子の雰囲気を察して、誤解されないよう
先回りをして言った。
「じゃなくて、彼そのものの状態を見えるように
してあげただけなんです。」
「見えるように・・・ですか・・・。よくわからないの
ですが、いったいどういうことですか?」
「彼自身の状態を絵に表して見せたんですよ。」
浅井があまりにも突拍子もないことを言い出すので、
涼子は、浅井のオフィスに来たことを後悔しはじめていた。
「やっぱりこの人、変わっているだけなんだわ。」
まさか涼子は、その後、この“変人”に師事することに
なるとは、このときは夢にも思わなかった。
続く・・・・・・