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第42話 落ち着き

桜井:「いいところに気がついたね。それはね、
"落ち着く”っていう言葉の意味に関係があるんだよ。」


志保子:「落ち着くの意味・・・ですか?」

桜井:「そう。落ち着くってどういう意味だと思う?」

志保子:「・・・えっと、何があっても動じなくて冷静な
こと・・・・・・かな。」

桜井:「うん。そういうイメージだよね。でも、“気”の達人に
言わせると、“落ち着く”とは、“気”が下がって落ち着く
っていうことなんだって。」

志保子:「気が下がる・・・すみません、ちょっとよくわかりません。」

桜井:「はは。いきなり“気”なんて出てきたら混乱するよね。
でも、実に興味深い話だから最後まで聞いてくれるかな。」

志保子:「はい・・・」


志保子は、よくわからないといった表情をしたが、
そんな表情にかまわず健治は続けた。


桜井:「落ち着くとは、“気”が下にさがって最下部で
固定されるということなんだって。

で、ここでポイントは、“気”は、物体の重力から見て
下側にためると、安定し強くなる、ということなんだ。
“気”にはそういう性質があるんだって。」


健治は、腰を落として、野球選手の守備の構えのマネを
した。


桜井:「たとえば、野球とかスポーツの世界では、足腰が
重要っていうよね?それは、重力から見て下の方を
鍛えることで、全体の動きが安定したり強くなったり
するからなんだ。」

志保子:「なるほど・・・。なんとなくわかります。
でも、それと“気が落ち着くこと”ってどうつながる
んですか?」


健治は、待ってましたとばかりに、志保子に向き合い、
語りはじめた。


桜井:「実はね・・・」


続く・・・・・

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第41話 ソワソワしてるやつ


桜井:「そうそう。俺はデート中とかにわくよ。」

志保子:「普通は、デート中ってドキドキしたり、相手のこと
ばっかり考えてるんじゃないんですか?」

桜井:「ロビンちゃんはそうなんだ(笑)」

志保子:「・・・・・・」

志保子は、思わず頬を赤らめてうつむいた。


桜井:「はは。いいかい?そういうドキドキするような
シチュエーションで、舞い上がってソワソワしてる男と、
余裕の態度でリラックスしている男とどっちがモテると
思う?」

志保子:「女の子としたら、余裕な人に惹かれるかなあ。」

桜井:「そう。ジャニーズのアイドルでもソワソワしてるやつ
って見たことないよね?」

志保子:「たしかに・・・」

桜井:「じゃあ、ロビンちゃんの今までの職場で、ソワソワして
落ち着きない人と、余裕の態度でリラックスしてる人だと、
どっちが仕事ができる人が多かった?」

志保子:「やっぱりリラックスしてる人かなあ。
自然体で落ち着いていて・・・。でも、落ち着きすぎて
てもいけないんじゃないですか?
仕事遅くなりそうだし・・・。以前の私みたいに・・・。」

桜井:「いいところに気がついたね。それはね・・・・・・」



続く・・・・・

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第40話 病める職場


志保子:「前のオフィスでは、音楽なんてまったくなかったですよ。」

桜井:「オフィスには何人くらいいたの?」

志保子:「15人くらいです。」

桜井:「広さは?」


志保子:「まあ、15人分のデスクが置けるくらいで、
広くもなく狭くもなくといった感じだと思うんですけど。」


桜井:「雰囲気はどうだった?」

志保子:「シーンとしてて、しゃべるのも気が引ける
雰囲気でした。」

桜井:「なるほど。それじゃ病気になっちゃいそうだね。」

志保子:「はい。私も重苦しい雰囲気がイヤで、
気がずっと滅入ってました。うつ病でやめていく
人も何人かいたし・・・。」

桜井:「音楽がそういった病気の予防に役立つかは
わかんないけど、人の心理になんらかの作用をすることは
あるだろうね。」

志保子:「はあ。」

桜井:「だって、コンビニだって、音楽を変えただけで、
店の前にたむろしてた若い子がいなくなったりするんだぜ。
音楽がその場の雰囲気を作って、人の心理に影響することは
間違いないね。」

志保子:「だから、このオフィスでは、波の音が流れてるんですね?」

桜井:「それに、最近のビジネスでは、クリエイティブさが
要求されるからね。斬新なアイデアや柔軟な思考は、人間が
リラックスしてる状態で生まれることが多いんだよ。」

志保子:「なるほど。お風呂やトイレでアイデアがわくみたいな
感じですね?」

桜井:「そうそう。俺はデート中とかにわくよ。」



続く・・・・・