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第45話 “前職”



志保子:「実は私、前職で、顧客サービスの仕事をしていたんです。

具体的には、顧客へのアフターフォローや、広告とかダイレクト

メールを作ったり・・・。」


浅井:「へえ~。それは聞いてなかったね。」


志保子:「すみません。そういえば、今までOLとしか言って

ませんでしたね。」


浅井:「でも、うちも広告ならやってるよ・・・」

志保子:「はい知ってます。実は仕事の合間に、

スカリーさんにお願いして、ひととおり広告を見せて

頂きました。何かお役に立てないかなと思って。」


浅井:「うんうん、それで?」


志保子:「失礼ながら、広告の効果ってあまり出て

いないことないです?」



ズバリ言われて浅井は少々驚いた。



浅井:「うーん、確かにそうだなあ。効果が上がっていると

言えば、直接コンタクトとって集客をするか、既存のクライアントの

口コミだけだからねぇ。」


志保子:「なるほど。では、ほとんど広告の効果は上がって

ないということですね?」


浅井:「はは・・・。正直言うと・・・ね。既存のクライアントさんへの

対応で、なかなかそこまで頭が回らなくてね。」


志保子:「もし、広告の効果を上げることができて、集客が

増えて利益が上がって、みなさんの営業活動の時間が減ったら、

どうですか?」


浅井:「そりゃ、願ってもないことだけど・・・。

でも、一人分の給料が出るほど、広告の効果って

上がるものかな? 新人の人件費一人分っていったら

少なくとも、あと年間300万円くらいは売り上げ

アップしないと厳しいぜ。」



具体的な数字を言えば、ロビンちゃんも引くだろう。

浅井はそう読んでいた。



志保子:「そうですか・・・。それでは・・・。」



続く・・・・

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第44話 “意外な展開”



午前9時すぎ。簡単な全体ミーティングがすむと、

志保子は浅井のオフィスに呼ばれた。


浅井:「今日は3日目だね。 働いてみてどうかな?」


志保子:「みなさん、とっても親切にして頂いて、

いろいろ教えて頂いてとても楽しいです。」


浅井:「そう。それはよかった。で、来てもらったのは

ほかでもない。今後のことを話そうと思って。」


志保子:「はい。」


浅井:「とりあえず一週間だけ、という約束で来てもらってる

んだけど、とっても一生懸命やってくれてると思うよ。」


志保子:「ありがとうございます。」


浅井:「でも、前にも言ったけど、今は人数足りてるし、

実は来年春には新卒の採用も決まってるんだ。

ロビンちゃんもいつまでもお手伝いというわけにも

いかないだろうし・・・。」



一瞬、志保子の顔から笑みが消えた。

しかし、気を取り直したかのように少し間をおいて、

志保子はしっかりと言った。


志保子:「もちろん、こちらで働かせて頂けるなら

こんなにうれしいことはないですけど、こちらの事情も

最初に伺っていましたし、私も就職の期待をするのは、

図々しいかなって思ってたところです。」


浅井:「図々しいだなんて・・・。」


志保子:「私にできる仕事は、今のところないん

ですよね?」


浅井:「そうだな・・・。他のメンバーみたいに営業

できたらいいんだけどな・・・。」


志保子:「営業・・・ですか?」


浅井:「あ、うん。うちのメンバーは、だいたい自分で

仕事をとってきてるんだよ。スカリーは法人向けの

営業が得意だし、あとの二人は、個人のクライアントが

多いかなあ。」


志保子:「そうなんですか。」


浅井:「でも営業なんてしたことなかったよね?」


志保子:「営業はしたことないですけど。

あの・・・、例えば、自分の人件費を稼ぐっていう条件

ならいかがでしょう?



正直言って浅井には、志保子を正職員として採用したい

気持ちがなくはなかったが、時期が悪く、いい案も浮かばず

半ばあきらめかけていた。

が、このような意外な展開を誰が想像しただろう?


浅井:「えっと、どういうことかな?」


志保子:「実は私・・・。」




続く・・・・

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第43話 “不思議なボール”



桜井:「実はね、今言ったことを利用すると、“落ち着き”を

コントロールできるんだよ。 」


志保子:「ほんとですか?」


桜井:「ちょっとやってみようか?

まず体の“みぞおち”の部分にソフトボールくらいの

大きさの“球”が入っているところをイメージしてみて。」


志保子:「はい。」


桜井:「で、ちょっと落ち着いているときの自分や落ち着かない

ときの自分を思い出してみて、そのボールが体のどの位置に

来ているかイメージしてみてくれる?」


志保子:「はい・・・。」


桜井:「落ち着かなくてソワソワしてるときは、ボールが

どのあたりの位置にきてるかな?」


志保子:「落ち着かないときは、ボールが胸のあたりまで

上がってきてる感じがします。」


桜井:「逆に、落ち着いているときは?」


志保子:「落ち着いているときは、ボールが、おへその

下あたりに下がっている感じがする・・・かな。」



桜井:「実感できているみたいだね?

このイメージ上のボールが“気”なんだ。


で、さっき言ったように、重力から見て、

“気”を体の下の方にためると安定し強くなる

これが、“落ち着く”っていうことなんだ。」



志保子:「スゴイわかりやすいですね!

“落ち着く”って目に見えないけど、こういう風に

イメージをすると実感ができます。」


桜井:「そう。だから、自分が落ち着かない場面に

なったときに、“落ち着く”には、深呼吸をしながら、

上がっている自分の中のボールを下げるイメージを

すると“落ち着き”を手に入れることができるんだよ。

不思議とね。まあ、やってみなければ信じられない

だろうから、何か落ち着かないなって思ったらやってみて。」


志保子:「はい!わかりました。」



続く・・・・