(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)
第44話 “意外な展開”
午前9時すぎ。簡単な全体ミーティングがすむと、
志保子は浅井のオフィスに呼ばれた。
浅井:「今日は3日目だね。 働いてみてどうかな?」
志保子:「みなさん、とっても親切にして頂いて、
いろいろ教えて頂いてとても楽しいです。」
浅井:「そう。それはよかった。で、来てもらったのは
ほかでもない。今後のことを話そうと思って。」
志保子:「はい。」
浅井:「とりあえず一週間だけ、という約束で来てもらってる
んだけど、とっても一生懸命やってくれてると思うよ。」
志保子:「ありがとうございます。」
浅井:「でも、前にも言ったけど、今は人数足りてるし、
実は来年春には新卒の採用も決まってるんだ。
ロビンちゃんもいつまでもお手伝いというわけにも
いかないだろうし・・・。」
一瞬、志保子の顔から笑みが消えた。
しかし、気を取り直したかのように少し間をおいて、
志保子はしっかりと言った。
志保子:「もちろん、こちらで働かせて頂けるなら
こんなにうれしいことはないですけど、こちらの事情も
最初に伺っていましたし、私も就職の期待をするのは、
図々しいかなって思ってたところです。」
浅井:「図々しいだなんて・・・。」
志保子:「私にできる仕事は、今のところないん
ですよね?」
浅井:「そうだな・・・。他のメンバーみたいに営業が
できたらいいんだけどな・・・。」
志保子:「営業・・・ですか?」
浅井:「あ、うん。うちのメンバーは、だいたい自分で
仕事をとってきてるんだよ。スカリーは法人向けの
営業が得意だし、あとの二人は、個人のクライアントが
多いかなあ。」
志保子:「そうなんですか。」
浅井:「でも営業なんてしたことなかったよね?」
志保子:「営業はしたことないですけど。
あの・・・、例えば、自分の人件費を稼ぐっていう条件
ならいかがでしょう?」
正直言って浅井には、志保子を正職員として採用したい
気持ちがなくはなかったが、時期が悪く、いい案も浮かばず
半ばあきらめかけていた。
が、このような意外な展開を誰が想像しただろう?
浅井:「えっと、どういうことかな?」
志保子:「実は私・・・。」
続く・・・・