(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)


第73話 心の修理


「そうかもしれませんね。でも、そのよろいを強くする

方法はあるんですよ。」


「強くなるんですか?」


「もちろんです。ではお聞きしますが、よろいが壊れて

たら、あなたなら何をしますか?」


「修理しますね。」


「そう!心のよろいも同じ。弱いところや穴のあいた

ところを修理して補強するんです。


例えば、コンプレックスを例にとると、修理のやり方を

2つ紹介します。ひとつは、克服すること。もうひとつは

開き直ってあきらめること。」


「わかりますけど・・・克服するっていうのは大変。」


「まあ、カンタンではないですよね。長年悩んでいる

ことならなおさらです。でも、できないことではないですよ。」


「ええ・・・。」


「少し、“修理”をチャレンジしてみましょうか?」


続く・・・・・・

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第72話 心のよろい


「傷つきやすい水島さんと傷つかない綾香さん、いったいどこが違うのでしょう?」


「やっぱり、性格・・・かな?」


「確かにそうですね。性格は人それぞれ違います。

でも、性格が違うだけじゃないんですよ。

性格が違うという結論なら、あきらめるしかないですよね。」


「では何でしょうか?」


「それが“心のよろい”なんです。

例えば、傷つきにくい人というのは、心に硬くて

厚いよろいを着ているので、傷つくような攻撃を

受けても、少々のことではダメージを受けない。


逆に、薄くて弱い材質のよろいを着ている人は、

ちょっとしたことでもダメージを受けてしまったりする

わけです。さらに、よろいが破損していて、穴が

あいている場合も、同様にダメージを受けやすくなります。」


「あの・・・心のよろいが破損するって、どういうことですか?」


「うん、例えば、小さいころ起きた大きな不幸ごとにより、

大きなダメージを受けて壊れたとか、よろいの薄い部分に

繰り返し何らかの攻撃を受けてヒビが入って割れたとか。」


「それって、もしかしたら、トラウマのことでしょうか?」


「そうです!トラウマは、かなり大きな穴があいている

状態です。トラウマのような大きな破損以外にも、コン

プレックスや突かれたら痛いところなど、人それぞれ

穴があいていたり、破損していたりするわけです。


これは、もともとの性質や育ってきた環境、今まで

受けてきたダメージによって、よろいの防御力が

強いか弱いかが、人それぞれ違うということです。」


「ということは、私のよろいは薄くていっぱい穴があい

てるのかも。」


「そうかもしれませんね。でも、そのよろいを強くする

方法はあるんですよ。」


続く・・・・・・

第71話 聞くスタンス



僕は威厳を取り戻すべく、下がり気味になっていた

メガネを中指で上げ、彼女の目を正面から見つめた。


「実は、今からするよろいの話は、人間の性質だとか

育ってきた環境だとかに、深い関係があります

ですので、少々自分の痛いところを見てしまうことがあるんです。」


「痛いところ・・・。」


言いながら、彼女は少し痛そうな顔をした。


「そんな場合でも、自分を被害者みたいに思ったり、

自己否定したり、他人を責めたりしないで欲しいの

です。

たとえ今はそうでも、これから人生が右上がりに

よくなっていくためにどうするか、という話もきちん

としますので、『今は多少悪くても、これからは

どんどん良くなっていくんだ』というスタンスで

聞いて頂きたいのです。」


「なんか怖いですね。」


「敵を知らないから怖いんですよ。知れば対処法が

わかるし、怖くなくなります。」


「わかりました。お願いします。」


「はい。それではよろいの話に行きましょう。

まず、周りの人で思い出してほしいのですが、

人間、傷つきやすいセンシティブな人と、何を

言われても傷つかない面の皮の厚い人

いますよね? 具体的に誰か思い浮かびますか?」


「前者は私かな。後者は・・綾香かな。

やだ。なんか悪口言ってるみたい。」


「ああ(笑)。でも今は気にしないで。現実を

客観的に見つめるという作業をしているだけ

なので、悪口とは思わないでください。」


「はい。」


「傷つきやすい水島さんと傷つかない綾香さん、いったいどこが違うのでしょう?」


続く・・・・・・