何故か、台湾にて -34ページ目

何故か、台湾にて

気がついたら台湾にいました。

ところてんのように生きています。

今日から、新しい授業が入ります。


その生徒さんは、以前もこの塾で勉強していた

若い男の子。


ちょうど一年前ぐらいに、日本へ留学しましたが

今回の地震騒動で、台湾に帰ってきたそうです。







一年前、ある先生が日本に帰るとうことで

私は一人の生徒を引き継いだ。


T君、高校生。

彼は、私の前の先生が、とっても好きだったそう。


勉強ができず、毎日ゲームばかりしていたけれど

なんとなく一対一で始めた日本語の先生が

とても優しくて、真面目に勉強し始めたとのこと。


台湾で、日本語の先生というのは

そういう役割もあるらしい。


落ちこぼれてしまった子を見捨てず

優しく、辛抱強く、教え続ける。



当時の主任が

「彼は、本当にあの先生が好きなんですよ。」

と話していて、他の先生が

「それって、恋なんですか?」

と聞くと、主任はこう言った。


「なんていうかね…初めて見たものを親だと思って

 ずっとついていく鳥、いるじゃないですか

 あんな感じです。」


なるほど。



彼は高校の修学旅行で、階段から落ちて怪我をし

兵役がなくなった。

しかし、全く勉強していなかったので、大学にも行けない。

今後、何をするのか。


ということで、彼は

日本へ留学することになった。

彼と、彼の家族と、主任で、面談をした。


彼は、細かいことは何もわからない。

しかし、一つだけ、主張があった。


「熊本へ行きたい」


なぜなら、あの大好きだった先生が、熊本に帰ったから。


主任は悩み、唯一の彼の意見を、却下した。

正しい選択だと思う。



私が彼の授業をやったのは

日本へ行くまでの、三回ぐらいだった。


「日本の有名なところや、食べ物を調べてきてください」


という宿題を出したところ、彼は

こんなことを書いてきた。


「有名なところ:渋谷、池袋、新宿、京都

 食べ物:和民、吉野家、サイゼリヤ」


これから、日本でちゃんとやっていけるだろうか。

そんな心配をした覚えがある。







そんなT君ですが

ある程度、日本語も上手になったそうです。

今日の七時から、一年ぶりの授業。


親鳥にはなれませんが

日本語への情熱が消えないよう、一緒に勉強していきたいです。

私、かれこれ半年以上前から

ヨガに通っています。


初めてのヨガのくせに

中国語で、何もかも、よくわからない。


そんな感じでのスタートでしたが

最近、ちょっとずつ進歩が見えてきました。

色んな方向で。






熱心にヨガを薦めてくる生徒さんがいたので

軽い気持ちで、そのヨガ教室に行ってみた。


何かを始めるには、軽い気持ちが必要です。


勤めている塾から近く

時間も融通がきいて便利ということもあり

今は、週3回を目標に通っている。


何より、学費が安く

私の今のコースだと、週3回を一か月やって

5000円くらい。



最初は、とにかく周りを見て真似をする。

きょろきょろしながら、一人で不審な動きをし

先生に注意され続けた。


しかし、その言葉もわからない。

困る私。そして困る先生。


そんな日々が、しばらく続いた。



でも、少しずつ

一つ一つの動作の、意味がわかってきた。


この動きでは、ここの筋肉を意識するんだな、とか

なんか、そういうことが。


体も少しずつ柔らかくなってきたし

意味不明に続く眠気も、なくなってきたように思う。




先日、先生が生徒と軽いおしゃべりをしていた。


「あなた、最近ここが柔らかくなったんじゃない?」


「あなたは、ちゃんと腕が上がるようになったね」


先生が生徒を褒めているのが聞こえてくる。

そして次に、先生は私の方を見て、言った。


「あなた最近、中国語が聞き取れてきたわねぇ」


はい…おかげさまで…



確かに、最初、わけがわからなかったけれど

少しずつ、先生の動きとか、指すものを見て

その発音と名称が、結びつくようになった。


覚えた言葉は、例えば

「骨盤」、「丹田」、「つまさき」、「かかと」

「ひねる」、「瞑想する」など。

主に、日常生活で使わない言葉。



それでも、いつか役にたつ日が来ると信じて

せっせと通い続けようと思う。






固かった体も、今では

手の平がぺったり地面につくようになりました。


そろそろ、先生に

ヨガの部分で褒めてもらえるんじゃないかと思っています。

私の土曜クラスは、中学生から高校生の

若い子ばかりです。


皆の視線を掴もうと、先生は必死。

先日、せっせとアイドルについて勉強しました。


しかし、どういうわけか

頑張れば頑張るほど、切なくなってくるのです。







比較の文を導入する日。


「~の中で、~が一番~ですか?」


というような文型を教える。

そこで私は、アイドルグループを出そうと思った。


例えば、

「嵐の中で、誰が一番好きですか?」

というふうに。



まず、受付の女の子に聞いてみる。


「台湾で人気のグループってなんですか?」


「嵐です。あとは…スーパージュニアとか、少女時代とか。」


「いやいや、全部、外国じゃないですか。台湾人のグループです。」


「ありません。」


「えっ、ないんですか?一つも?」


「んー、強いて言うなら、飛輪海ですかね。」



飛輪海。それは聞いたことがある。

確か、観光大使かなんかをやっていたような…


ということで、飛輪海について調査開始。


飛輪海は、男性4人グループ。

それぞれ、春夏秋冬を司って(?)いるらしい。


まずは写真から。


飛輪海の、二枚の写真をプリントしてみた。

写真Aと写真B。二枚を見比べる。

そして思う。


「おかしい。

 写真Aにいて、写真Bにいない人がいるし

 写真Bにいて、写真Aにいない人がいる。」


そんなはずはない。

写真じゃよくわからないから、やっぱり動画だ、動画。


ということで、プリントした写真と照らし合わせながら

YouTubeで動画を見る。


「ん?今の人が、この人で、次出てきた人が、この人で…

 あら?この人も、この人?

 じゃあこの人は誰?」


そして気付く。

自分、おばさんだ。



少女時代も調べてみたが

こっちなんて、9人もいる。倍以上。


動画を見てみた。

よく、「みんな同じ顔に見える」と言うが

さすがに、それはなかった。


ただ、私には、3人しかいないように思われた。

どうやら私の脳は、9人の顔を

ざっくり3パターンにしてしまうらしい。



次、スーパージュニア。


もはや、何人かさえわからない。




勉強の甲斐も虚しく

とりあえず授業で、飛輪海の写真を出してみる。


なんと、これが

大ブーイング。


「嫌い」


「だめ」


「歌が下手です」


なんだっていうんだ一体。

おばさん、折角

頑張って勉強したのに…



まるで

おじいちゃんが孫に、おもちゃをあげたら

孫に「こんなダサいおもちゃ、いらない」と言われたような

そんな、切なさだった。






先生達の中では、これでも一番若く

まだまだ、いけるつもりでいましたが

どうやら、いけなかったようです。


だけどおばさん、頑張ります。