今回の一人旅
実は、途中で少し母も参戦しています。
その数日間は、いいホテルに泊まり
ガイドさんも、車もつき
旅行らしい旅行をしました。
その際、ガイドをしてくれた
ナシ族の和さん。
ナシ族の文化をたくさん教えてくれましたが
それ以外にも、色々と心に残っている、和さんです。
和さん。
ナシ族なので色は少し黒く
小さい娘さんが二人いる。
「中国って一人っ子政策なんじゃないの?」
少数民族は、二人でもOK。
日本人向けのガイドさん、というと
日本語がすごく上手なような気がするけれど
和さん、そこまで上手ではない。
元日本語教師として、訂正したいところが多々あったけれど
気にしないようにする。
和さんの魅力は、何より
一生懸命なところ。
一つでも多くのことを伝えたいらしく
車の中でも、歩きながらでも
つたない日本語で、一生懸命しゃべる。
麗江の街は階段が多い。
階段を登り、ゼェゼェ言いながら
「この建物は…」
と、解説をしてくれる。
階段を登りきると、そこには
五階建ての塔が立っている。
「じゃあ、お二人で、行ってきてください
私はここで待っています」
えっ、疲れちゃった?
「今日はまだ時間があるので、湖へ行きませんか?
馬がいて、古い村の中を、馬で散歩できますよ」
よくわからないけれど、じゃあ行ってみよう
ということで、湖へ行き、馬に乗った。
「私、初めて乗ります!」
どう見ても、和さん
嬉しそう。
和さん、私と母をどう呼び分けたらいいか悩んだらしく
母のことを「奥様」と呼び
なぜか、私のことは、こう呼んでいた。
「山本ちゃん」
たぶん、女の子には“ちゃん”をつける、とは思ったのだろう。
ただ、“ちゃん”をつけるのは普通、名字ではなく名前だ。
名字に“ちゃん”をつけると
妙に業界人っぽい。
「山本ちゃん、何か買いたいものはありますか?」
はい、ピアスを少し。
最後、今回のツアーのアンケートを書いてください、ということで
空港へ向かう車の中で、紙を渡された。
車の中なので不安定で、何か下敷きになるようなものを探していると
和さんが、本を貸してくれた。
それは、日本語の教科書。
アンケートを書き終え
その日本語の教科書を読んでみる。
色々なシチュエーションごとで
想定される会話を淡々と載せている。
「これはいくらですか。
1500円です。
他のサイズはありますか。
あります。
Mサイズをください。
わかりました。」
棒読みになりそうな例文ばかり。
そんな中
一体、どんなシチュエーションだ?と思わせる例文も。
「体育先生がいらっしゃいました。
整列。
気をつけ。
番号。
1,2,3,4,5…」
えっ、何この日本語??
いつの時代の教科書?と驚き
最後のページを見てみると、2009年、と書いてある。
結構新しい…。
更に、病院で。
「どうしましたか。
お腹が痛いです。
熱はありますか。
熱はありません。
吐きましたか。
二回吐きました。
よくわかりました。あなたは盲腸炎です。」
えっ、わかったの?しかも、よくわかったの?
なんでわかったの??
「手術をしましょう。
手術をして治りますか。
はい、治ります。
では、お願いします。」
いいの?
患者、それでいいの?
「では、麻酔をしますから、新聞を読んでいてください。」
どういうこと?
教科書を読み、混乱している私を見て
和さんが聞いてきた。
「何か変な日本語、ありますか?」
変な日本語?
そういう問題じゃないよな…
混乱しながら、かろうじて答える。
「そうですね、変な日本語というか…
あまり使わないものが多いですね…」
空港に着き、別れ際
何か言葉を探していた和さん。
少し考えた末、こう言った。
「お元気で」
和さんこそ、お元気で。
和さんのガイドにより
そして何より、和さんにより
ナシ族がとても好きになった私です。
麗江観光、最近は日本人が減っているそうなので
ぜひ皆さん、行ってみてください。
北京なんかより、よっぽど面白いと思います。
その際は
白鹿旅行社という旅行会社の
和さんというガイドさんを指名してみてはいかがでしょうか。