いろんな意味でアツい7月!乳腺専門医の使命 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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こんばんは

 

いろんなことに巻き込まれたり考えたりしているうちに、こんな時間になってしまいました。

あと、1時間ちょっとで7月も終わります。

つまり、月末・・・

広島市立北部医療センター安佐市民病院 乳腺外科 恵美です。

 



7月は本当にあっという間でした・・・

やるべきことはたくさんあり、やったこともたくさんありますが、やるべきことの1/3くらいしか解決できていないのが現状です。

7月と言えば、多くの方が書いていたように「乳癌学会総会」でしょうか!

 

重松先生や角舎先生が書いたように、たくさんの人に直接会い、お話をすることができるまたとない機会です!

重松先生が書いていた1999年卒業の全国同期が集まる懇親会には同級生の私もおりまして

隣に座った「一年ぶりですね!」の先生が成果を出している「マンモグラフィの読影を補助するAI」に関する研究についていろいろ聞くことができました。

そしてよく聞くと、そのAIはまさにその先生が作ったという・・・

びっくりびっくりびっくりびっくり

そんなSEも真っ青のレベルの方でしたか!!

と、その方自身に興味津々になった私です。

『ハッキングする人たちの気持ちはわからんでもないんだけどさ~私はやらないし、正直、中二病だよね』

とばっさり切ってくれるその方に、

国のインフラを守っている人ですか?!

と思わず聞きたくなるようなワクワクの夜でした。

個人的にやってみたいことに関してここぞと相談したり

とても実りある集まりでした(重松先生のあの写真からは想像できないかもしれませんが・・・)

 

さて、私としては今回の乳癌学会をもって一応は期間が終了する『遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)』に関する班研究メンバーでしたので、研究成果の確認と今後の展開について学会期間中にメンバーで集まって意見を交換しました。

今回の研究では、HBOCに関する認識や診療体制の現状などに関して、医療者(医師、看護師それぞれ)、対象者(HBOCと診断された方)、一般の方にそれぞれのアンケート調査を実施したものです。

結果に関してはこれからまとめていき論文や学会発表などとして世の中に発信していきます。

今回、ある程度大きな調査をしたことで見えてきた現状と課題がたくさんあります。

 

なかでも私が一番気になっているのは、未だに『HBOCと診断されたけど未発症のかた(乳がんや卵巣がんなどのHBOC関連がんがまだ発症していないかた)』に対する検査やリスク低減手術などの”がんで亡くならないための具体的な対策”が保険適用にならないことです。

正直、今回の令和6年度の保険収載には多くの人が期待して準備をされていたのですが、結果は承認されず。

個人的には非常に残念に思っています。

広島大学時代にも「保険収載になる可能性もありますから」なんて言いまして心待ちにされていた方も何人かいらっしゃいましたので、とてもご様子が気になるところです。

 

では、保険収載に見合うためには何が必要なのか

 

該当の方々のご不安や心理的な負担たるやいかばかりなのか

身近に接して感じているつもりですので、まず、そのご不安についてもちゃんと評価しないといけないね

という意見がたくさん出ました。

今後に繋がる課題です。

遺伝性ひとつにしても、まだまだやるべきことが山積しています。

 

肥満、ホルモン補充療法、アルコール、高濃度乳腺、遺伝性など

乳がんになるリスク因子はたくさんあり、それぞれのリスク程度も様々なのですが

その中でも最も高リスクに位置づけされる因子は『遺伝性』です。

今後は世界的にも検診の方法などの対策を、個人のリスクを評価して分類して(層別化と言います)決めていくようになると思います。

その時に影響する因子として無視できないのが遺伝性である『遺伝的素因』だと思います。

検診所で遺伝的素因も当たり前に調べていく時代がきたりするんでしょうか。

 

乳癌学会の期間中に仙台の会場を訪れた人は実に4000人を超え、学会のある週は全国の乳腺専門医がほとんどいなくなり

神無月ならぬ「担当医いない週」として皆様にはご迷惑をおかけしたこともあるかもしれません。

 

が、

夜な夜な体力を消耗しつつ会合に出まくっただけでなく

たくさん勉強し、たくさん考え、たくさんの意見を交換し

たくさんの課題も仕入れて

また一年後にそれぞれが成果をもって集まれるように確認できる

そんなとても重要な時間と機会になっています。

また一年、地道に頑張っていこうと思います!!

 



そんないろいろで

アドレナリンが毎回枯渇し、体力を消耗するものですから・・・

帰宅すると大抵、体調を崩してしまいます。

今日は外来で『先生、ちゃんとご飯食べて休んでよ~。先週の咳とか、本当にいけんかったじゃない?心配するよね~少し元気になったんじゃない?』

とお声がけいただきまして

患者さんに心配をおかけするなど申し訳ないと、まだちょっと咳をしながら苦笑いの一日でした。

 

心身ともに力が落ちたところに子供たちから三人三様の異種病原体を仕込まれておりますので、一つよくなったらまた違うものが出てくる感じで、学会後の二週間は、週末はほとんど寝て過ごすような体力回復の日々で仕事が滞りまくっていましたが

ようやく回復して気づいたら月末です!!

 

いつも子供と私が順番に風邪などでへたっていても、なぜか夫のところはスルーしていくものですから

(本当にこの人は一つ屋根の下に住んでいる家族といえるのかニコニコニコ

と密かにいろんな意味での夫とのディスタンスを確信していたのですが・・・

 

最近、どうも食事や様子に勢いがなく

今朝なぞは鼻をかんでいる姿を目撃しびっくりびっくりびっくり

 

一応、ひとつ屋根の下に住んでたんだなぁ・・・

と複雑な思いに駆られた恵美でした。

 

とてつもない暑さの夏になるようですが

こまめな水分摂取と夜間の温度調節にお気を付けください!

 

では、また一か月後にお邪魔させていただきます。

どうぞお願いいたします!!!