皆様こんにちは!
シカゴのお土産に、うっかり値札をつけたまま重松先生に渡してしまった慌て者の平岡です!!
噂には聞いておりましたが、アメリカの物価高+円安は日本人にとってダブルパンチと言えるでしょう。
ASCOの会場にはスタバが何か所かあるのですが、セッション前にホットコーヒーと500mlのペットボトルの水を購入したところ、約10ドル請求されました。日本円で約1570円!!なんと水が5ドル(約800円)ですよ!!!
そしてコーヒーは…この国はグランデサイズしかないのかという巨大なカップになみなみと注がれ、そして日本のコーヒーの3倍は薄いのではないかという、もうコーヒー風味のお湯じゃないかと思うほどの薄さでございました。(本場のアメリカンコーヒー???)
6月2日早朝、始発のバスに飛び乗ってASCOの会場に向かい、目指すは急遽発表が決まったDESTINY-Breast06の発表会場でした。7時30分という早朝ながら、巨大な会場には沢山の参加者が詰めかけ、発表が始まるのを今か今かと待っていました。
話は戻り、6月という初夏ながら、なぜ巨大なホットコーヒーを抱えて平岡が参加しているのか、その理由なんですが…
会場が激寒いから!!!!
容赦ない空調が、会場を冷やす事だけの使命を果たし続け、結果的に参加者全員を、顔面蒼白・唇真っ青・意識も飛びそうなほど冷却しまくっているのです。
シカゴのガイドブックにマコーミックプレイスは冬用のスーツで!、女性はタイツが望ましいと書かれていたのですが、理由はこれかぁ…。
さて本題でございますが、DESTINY-Breast06とはホルモン陽性、HER2-low またはHER2-ultralowの転移再発乳癌の再発一次化学療法に対し、主治医選択の化学療法(カペシタビン、パクリタキセル、nab-パクリタキセル)とトラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)を比較した第Ⅲ相多施設臨床試験の事であります。
日本でもHER2-lowの乳癌に適応となったばかりですが、それは何らかの化学療法後に再発2次治療以降として使えるというものです。
な、なんと、再発一次治療として使った場合、主治医選択治療群よりも、PFS,OS共にトラスツズマブ デルクステカン群が良好であったというのです。
そして、HER2-ultralowの患者群においても同様にPFS、OSが良好だったというのです。
HER2-ultralowとは何ぞや、従来HER2スコア=0、陰性とされていた中で、細胞膜が染色される細胞が0-10%未満という意味で、つまり0以外という事です。HER2-lowも衝撃的でしたが、今回はHER2-ultralowが加わり、まさにホルモン陽性転移再発乳癌で85%もの人にトラスツズマブ デルクステカンの適応が広がるかもという事です!!
まだ日本での適応やHER2-ultralowの測定の方法などこれから決まるのでしょうから、近々、ガイドラインも変わるのでしょうね。
しかし、主治医選択治療群の60%がカペシタビンとは、日本とは違うなぁ…
エンハーツの模型です。とてもとても美しく、日本の技術の結晶ですね!
(エンハーツにCOIはないですよ)