新しい乳がん研究 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
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こんにちは

島根大学医学部附属病院の角舎です

恵美先生がブログを書いていたのを見かけて「次は僕だ!」びっくりと思い出しました

老化が進んでいるからか忘れがちですね笑い泣き

恵美先生が書いた日はブログを見る人が多いから、おすすめのブログとして目について思い出させてくれるのかもしれません

 

さて基礎の先生に、自分の研究を自動化できるようなベンチャー企業の立ち上げについて相談にいってきました

が、結論を先に言うと「まだ無理じゃないか?」ガーンと言うことでした

私がやっている研究は、下の図にもあるように、患者さんの乳がん組織から幹細胞だけを選択的に培養して、その情報(遺伝子情報や薬剤感受性など)を使って最も効果のある薬剤を選択する、と言う趣旨のものです

やはり、患者さんによって乳がんも違えば、薬剤の感受性も違います

術前薬物療法の中心は、アンスラサイクリンとタキサンなのですが、それらだけでは完治しない乳がんもあることでしょう

中には「パクリタキセル+アバスチン」の方が効くと言う方もおられるかもしれません

完治を目指すと言うことは、最も薬が効きにくいがん細胞も死滅させるということですので、

薬剤が最も効きにくい=がん幹細胞

と言うことになります

 

患者さんの組織から、多数例で、高確率で、乳がん幹細胞を選択的に培養することができると言うことであれば、世界中でも我々のグループ(といっても、私と末岡先生と甲斐先生)にしかできないのですが、それだけでは特許は取れないそうです

頑張ってたくさんの症例からがん幹細胞を培養しました、と言う努力ではなく、「新規性」が必要とのこと

新規性を示さなくてはダメだそうです

でも、色々と役に立つアドバイスもいただき、すこし元気も出ました

 

島根に来て1年ちょっと経ちますので、ここで特色のある研究をしたいですね

大学病院で働くと言うことは、臨床だけでなく、研究も、教育もしなくてはならないので大変ですが、それがまた大学病院の面白いところでもあるのです

自分が乳がん全体の中のどのあたりに貢献しているのかは分かりませんが、研究は自分だけでなく将来につながる後輩のためにもちゃんと繋いでいかなくてはいけないバトンでもあります

静かに深く深く考えること

それは意外かもしれませんが私が好きなことでもありますし得意なことでもあります

しっかり頭を働かせて考えていきたいですね