【○×クイズ】全摘手術をすると、全ての乳腺を切除できる? | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院 乳腺外科の笹田です。

世の中には、「当たり前のようで、そうでないこと」があります。

 

『全摘手術(乳房全切除術)』という呼び方からも、当然、乳腺は全て切除しているもの

という印象をお持ちかと思います。

多くの外科医もそうではないでしょうか?

 

答えは、

×

 

全摘手術と言っても、大きく3つの方法があります。

乳房全切除術

皮膚温存乳房全切除術(SSM)

乳頭温存乳房全切除術(NSM)

 

SSMとNSMは、主に乳房再建手術を行う際に、乳房の膨らみに生かすための手術方法です。

 

乳房全切除術後に、乳腺組織が残っているかどうかを調べた論文はいくつかあり、それらを集めて解析した報告があります。

乳頭を残すと、当然その部位の乳腺組織は残ってしまうのはイメージしやすいと思いますが、

乳頭の他にも、皮膚の裏、乳腺の端っこ、大胸筋側には、ある程度の頻度で乳腺組織が残ってしまっている、という内容です。

 

あとは、副乳というものの存在もあります(2022年7月27日の投稿参照)。

 

乳腺というモノは、つるっとした塊ではありませんので、なかなか奥が深いです。

 

 

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