こんばんは
広島大学病院乳腺外科 恵美です。
既に担当の先生から情報をいただいた方もおられるかもしれませんが
12月に保険承認されるも発売のシステム整備が間に合わなかったためどうやっても自費であってもオーダーできない状態が続いていた
『オンコタイプDX』が、今週から条件付きでオーダー可能となりました。
厚労省も保険承認を延期するという処置で何とかオーダーできる道を残せるよう対処してくれましたが・・・検査を行う側がどうにもこうにも動かず、2か月近くになっていました。
適応通りなのですが
・ホルモン陽性、HER2陰性の浸潤性乳癌術後
・リンパ節転移陰性/微小転移/転移1~3個
の方で、乳癌組織でオンコタイプDX解析をオーダーすると
再発スコアTM結果の数値から、ホルモン療法だけを受けた場合の再発リスクと、ホルモン療法に化学療法を加えた場合どの程度そのリスクを下げることができるか(化学療法の上乗せ効果)がわかります。
オンコタイプDXで調べることにより化学療法を受ける方が30%減ると考えられています。
つまり、しなくてもよい治療を避けるという意義があるのですが、
患者さんにとっては”化学療法を前向きに頑張る”ことに繋がる根拠にもなるかもしれません。
まだ、保険適応としてのシステムは変わらず出来上がっていないようですが、今回の診断システムを提供できなかった企業による緊急措置として、今週から
・2021年10月1日以降の手術
・まだ手術後の化学療法もホルモン療法も始めていない方
という条件を満たす方では患者さんの希望により、実際のシステムが完成して保険再承認されるまでの間だけ
無償で提供される
そうです・・・
そんな大事なお知らせは・・・本当に突然やってきます。
オーダーを仲介する業者さんがお知らせを持ってきてくれたのが先週の終わりです。
当科でもすぐに手続きを進めて、本日からオーダーを提出できるようになりました。
このオーダーは提供企業に登録した医師のみが可能で、オーダーの際にはいろいろ条件を確認して送る必要があります。
その、確認される項目の中に『検査の理由』を選んでこたえるようになっており
詳細は記載しませんが
「この検査を受けてまで化学療法をできれば避けたいという理由はなんですか?」
と聞かれているような検査理由項目が並べられており
・化学療法に耐えられそうにない
・妊娠を希望している
・仕事に差し支える
というような項目から選ぶことになっています。
『医師が緊急の検査が必要と判断』したらよいことにはなっているので、そこですべてが回収されそうですが
・・・・・なんかしっくりこない・・・・・
この項目のどれにも当てはまらない人は化学療法できるのならされたらどうですかね?
と言われているような錯覚に陥るので、真意はわかりませんが
う~ん
どれ選んだら正解なの?
とPCの前でしばらく首をかしげてしまいました。
検査希望してたけど泣く泣くあきらめた
という方もいらっしゃるかと思いますが、条件を満たしているかも?と思われる方は担当の先生とご相談なさってください。
さて、どのくらいで結果が返ってくるでしょうか
患者さんも、担当医も首を長くして待っています。
先日の外来で、ある方が『ブログに久々のゾンビ君登場で癒されました~』と話してくださいました。
え!お好きなんですか?
結構気持ち悪いんで・・・遠慮して顔は見えないようにしたり気を遣っているんですが・・・
大丈夫なんですかね。
その方だけでなく、結構人気のあるゾンビ君
すごく短い動画で載せてみます。
苦手な方は無視してくださいませ。
首をひねりながら検査の理由を選んだ私の様子にちょっと似ています。
オミクロン株が拡がりを見せる中
日々、『明日の手術が予定通りできるように』
『来週の手術も予定通りできるように!』
と、ずっと祈りながらスタッフ全員で気を引き締めて生活しています。
皆さんも感染予防は引き続き継続なさってくださいませ。