術後の液体貯留 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
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こんばんは、広島大学病院 乳腺外科の甲斐です星空

 

連休が終わりましたえーん

みなさま、ゴールデンウィークはどのように過ごされたでしょうかカブト

 

今日は、私は外来当番だったのですが、

手術をして間もない患者様の「漿液腫」のオンパレードでした病院

 

漿液腫というのは、乳房を切除したところに体液(漿液)がたまって膨れ上がってしまうことです。

目立つ方だと、乳房を全摘し胸が平らになっているはずなのに、もともとの乳房のふくらみが戻ったかのように、皮膚の下に液体がたまってしまいます。

普通の乳房と違って、触ってゆらすと「たぷたぷ」と液体が溜まっているのが分かります。

 

この漿液腫を予防するために、手術の後、ドレーンを留置して持続的に液体を排出するのですが、このドレーンを抜いた後にまた浸出液が溜まってくることがあります。
量が多い場合は、注射針を刺して中の浸出液を抜く処置をします。
 
この漿液腫、まあまあな頻度で起こりますプンプン
ゴールデンウイークで、しばらく病院がお休みだったため、術後の患者様で浸出液を抜く処置が必要な方が、皆さま本日受診されましたバレエ
 
幸い、皆さま、感染は起こされておられませんでしたOK
漿液腫自体は、痛みもなく、外来で気長に注射器で吸う処置をしていくと治ることが多いのですが、時々溜まった液体が細菌感染を生じて、赤く腫れ熱が出ることがあります。そうなると、抗生剤での治療が必要となったり、こじれると手術で膿を排出する必要があったりと、今後の乳がんの補助治療(薬物療法や放射線治療)の導入に遅れが生じることもあるため、こういったことが起こらないように早く治すに越したことはありません。
 
術後の患者様に気を付けていただくこととしては、腋窩郭清をしてリンパ液の漏出のリスクが高い方や、入院中ドレーンからの排液量が多めで推移された方は、退院後もしばらくバストバンドで胸部を圧迫し、液体が溜まらないようにしていただけると予防につながります流れ星
 
私たちも、できるだけ漿液腫ができないように管理させていただきたいと思いますキラキラ

 

ところで、このゴールデンウィーク、毎日三食自分で作ったご飯ばかりで飽きてしまったため、お店のテイクアウトを試してみることにしましたナイフとフォーク

 

近くのカレー屋さんで注文すると、出来上がった入れ物にはこんなシールが貼られており、ほっこりした気持ちになりましたラブ

 

餃子の無人販売店ラブラブ

テイクアウトでも、ちょっとしたところにあたたかい気持ちになれる要素がちりばめられていましたキラキラ