こんばんは
広島大学病院乳腺外科 恵美です。
コロナ禍で普通でない日々でも、季節は廻り紅葉の季節となりました。
大学病院の憩いの広場でも桜の木などがきれいに紅葉しています。
桜の葉はきれいなオレンジ~赤色に紅葉しますね
青い空との対比が美しく、朝から癒されました
先週末、いつもはお手伝いに行っていない病院に臨時でお手伝いに行ったときのことですが、パクリタキセル投与する際にすぐ隣の化学療法室から呼び出しがあり
『点滴が漏れていないか確認をお願いします。』と言われました。
大学病院のようなところでは、化学療法室には専従の医師もおり、点滴をオーダーした担当医がそのように呼ばれることがないため
ああ、確認が必要ですよね
と、今更ながらに思い出した次第です。
点滴による抗がん剤治療には、血管炎を起こしやすいお薬があります。
治療を継続していくうちに腕の血管が徐々に硬くなったり、つぶれて使えなくなったり・・・
特に、手術後に抗がん剤治療を受けられるときには、手術をした側の腕はリンパ浮腫の問題などから抗がん剤投与ができないため
だんだんと元気な血管が減っていき、毎回、採血や点滴のルート確保に苦労される方も多いのではないでしょうか
手術前後の化学療法であれば、抗がん剤は4~8回、ハーツー療法は18回必要ですが、回数が決まっているため何とか手の血管で乗り切る方も多いのですが、血管炎の起こり方も個人差があるようです。
一回の投与で血管に沿って皮膚が赤くなったり痛みが出て、柔らかいゴム管のようだった血管が硬い木の枝のようになってしまう方もおられます。
また、アンソラサイクリン系のお薬(赤い色の点滴です)やタキサン系のお薬(パクリタキセルなど)は特に血管を痛めやすい薬剤です。
万が一、血管から漏れてしまうと、皮膚や皮下組織が壊死してしまいますので、細心の注意が必要です。
点滴の際には痛みや腫れが起こらないかよく確認されていると思います。
そして、長く治療が続く見込みの方では特に、『中心静脈ポート』の留置を勧められます。
お薬による炎症が起きにくい心臓に近い太い静脈(中心静脈)まで点滴のチューブ(カテーテル)を挿入し、カテーテルを刺入した部位に繰り返し針を刺して薬剤を投与できるポートを皮膚の下に埋め込みます。
このポートやカテーテルには点滴をするだけでなく、採血ができたり、CTの造影剤を注入できるような機能を持ったものもあります。
広島大学病院では外来でも日帰りで腕の血管から中心静脈ポートを挿入することができます。
腕の血管のほかに、鎖骨の下や首の静脈から刺入する方法もあります。
ポートを入れた部位は皮膚が少し盛り上がりますが、場所を選べばあまり目立ちません。
『点滴や採血の時に看護師さんも大変だし、自分もつらかったのですが・・・ちくっとはしてもこれまでのようなストレスがなくなって本当に助かります』
との感想をよく伺います。
今日も、そのポートを入れてもらった方がいます。
『局所麻酔は痛みがあったけど、あとは大丈夫でした!』
所要時間は1時間もかからないほど。
これで、今度から採血や点滴も少し楽になりますね
このポートは御用がなくなれば外来で抜去できます。
今後も採血や点滴をする血管はできるだけ残しておきたい状況の方もおられます。
点滴の際に辛いと感じておられる方は、担当医にご相談なさってみてください。
週末は子供たちの行事目白押しで、あっという間にバタバタと過ぎ去りました・・・
そして、今朝気づいた
「ひろしま乳がんアカデミアの講演スライド締め切りは18日です。よろしくお願いいたします。」
との舛本先生からのメール・・・
11/18かあ~もう少しだなぁ・・
いや
明後日か?
なにものにも追われることのない週末と勝手に思っていましたが・・・追われていることに気づかなかっただけですね
みなさま、今年のひろしま乳がんアカデミアはWEBです!
また舛本先生からご案内があるかと思います。
お楽しみに!