化学療法中の発熱 | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

こんばんは。

毎度夜分遅くに大変申し訳ありません。

広島大学病院乳腺外科の池尻です。

(次回こそは予約投稿で早めの投稿を目指します)

 

今日は化学療法中の発熱についてです。

 

病院外で過ごしているときに発熱があると、どうしたらよいものか不安になりますよね。

 

発熱の原因はいろいろありますが、化学療法中に気を付けたい発熱としては発熱性好中球減少症(FN)が挙げられます。

 

【FNの定義(日本における)】

好中球<500/μL(または48時間以内に<500/μLが予想される)

のときに

腋窩温で37.5℃以上の発熱

 

上記の定義を満たしている場合は、化学療法の副作用である骨髄抑制により白血球数の減少や機能低下をきたし、菌やウイルスに感染した状態かもしれません。白血球数の低下は4日目頃より起こり、7日~14日頃に最も低くなることが多いです。

 

実際に感染しているかどうかは、多くの場合分からないため

経験的に抗菌薬による治療を開始します。

 

FNの起こりやすさや重症度は、患者さんの背景(年齢、栄養状態、併存症など)、腫瘍や化学療法の種類によって異なります。

 

乳癌の患者さんでは、経口抗菌薬のみで改善する場合が多いようですが、熱が出た場合に他に症状がないか注意してみてください。

 

 

 

場合によっては、入院して点滴での抗菌薬治療を行う必要があるかもしれません。

 

 

予防のためにご家庭で気をつけていただくことです。

原文に忠実に訳したため、やや滑稽に思える項目もありますが

 

要は

・密を避ける

・体を清潔にする、保湿する(皮膚のバリア)

・食べ物はしっかり調理する(消化管のバリア)

ということでよいと思います。

 

気温も上がり、風邪などは少ない時期ではありますが

食べ物は腐りやすくなってきます。

 

いつもより、おなかにやさしくを心がけてみてください。

 

広島大学病院乳腺外科

池尻はるか