予防的乳房切除・卵巣卵管切除の保険適用の対象は? | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

広大乳腺外科 舛本です。

風邪がはやっていますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

今日は予防的乳房切除・卵巣卵管切除の情報です。

4月から予防的乳房切除・卵巣卵管切除が保険適用になる予定です。

それではどのような方が対象になるのでしょうか?

厚生労働省のホームページからわかっている範囲で書かせていただきます。

厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000576630.pdf

 

 

BRCA1・BRCA2遺伝子に変異があると、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高いことがわかっています。

 

 

 

BRCA1・BRCA2遺伝子に変異を持った乳がんの方が、対側の乳がんのない乳房を切除すると生存割合が高くなることがわかっています。

またBRCA1・BRCA2遺伝子に変異を持っていると卵巣卵管切除したほうが、生存割合が高くなることもわかっています。

 

今回 保険適用になるのは、

BRCA1・BRCA2遺伝子に変異があり、下記3つのいずれかに入る方が対象です

①   乳がんを発症している患者さんの対側乳房切除

②   乳がんを発症している患者さんの卵巣・卵管切除

③   卵巣がんを発症している患者さんの両側乳房切除

 

 

 

 

一方でBRCA1・BRCA2遺伝子に変異があっても、乳がんや卵巣がんを発症していない場合は、適用が明記されていません。

 

広大病院ではこれまで、BRCA1・BRCA2遺伝子に変異がある場合、遺伝子カウンセリンを受けて熟考の結果、ご本人の希望あれば、乳がんや卵巣がんを発症していない場合を含め、保険適応外で予防的切除ができる体制にしています。

 

詳細な情報が入ればお知らせしようと思います。

それでは良い週末を過ごされてください。

 

 

乳腺外科 舛本