5年生で学校に戻ってきてから、
彼はとても落ち着いて過ごし、
先生に叱られることがなくなりました。
友達から白い目で見られることも、煽られることもない生活。
彼は学校で友達と一緒に過ごせることが楽しくてしょうがなくて、
楽しい生活を守りたくて、
5年生の宿泊の移動教室でも、薬が切れる夜の時間を無難に乗り切ることができました。
その実績を自信に、6年生の2泊の林間学園でも心から楽しむことができました。
彼にとって学校とは、
友達と一緒に遊び、学び、いろんな経験ができる、
何よりも大切な場所だったのです。
学校に行くためなら、気持ちや行動のコントロールもがんばれました。
そこまで学校が好きになれたのも、
彼を信じて、かわいがってくれた5、6年の担任の先生がいたからこそ。
私もずっと寄り添ってきたけど、
所詮週2回、2時間程度しか一緒に居られませんし、
私は、自分を裏切らない、責めない大人(先生)がいる
そんな一人になっただけです。
彼の気持ちや行動のコントロールは、
学校のためだったので、
家では動機づけが足りませんでした。
もちろん、彼は自分の両親に対しても
「僕のことを信じてくれる。」
(3,4年のとんでもない姿を知る、他の子の保護者は
学校公開などで、「監視をするような目」で見てきたそうで
信じられていないことが、すごく嫌だったそうです。
それに対して、自分の親は信じてくれている…と話していました。)
と信じていたのだけど、
やっぱり、自分を律し続けるのは大変だったのでしょうね。
家では甘えから、心底自由に過ごしていたようです。
それに耐えられなくなったお母様。
自分はギリギリのところで耐えているのに、
学校で担任に話しても、
「学校ではいい子ですよ」
と言われ、共感してもらえないのです。
カサンドラ症候群に近い状態だったのですね。
いっぱいいっぱいになったお母さまは、
11月頃から
家でやるべきことができない限り、学校には行かせない
という手段に出ました。
学校に行きたいのなら家でもちゃんとして!!!
親しき中にも礼儀があることを理解して!!!
という気持ちだったのです。
それでいい結果になったかと思えば・・・
必ずしもほぼ変わらなかったようです。
担任は「彼から学校を取り上げても何もいいことはない!」
と思いをぶつけましたが、
平行線で解決はしませんでした。
学校に来てくれないので、
私も彼と会えない期間が続きました。
心配ですし、寂しかったのですが、
信頼するしかありませんでした。