北海道で見せた野球少年のまなざし | カープ・ドランク・ロックンロール
ダルビッシュ有 札幌ドームでの退団会見。
なんか 見てて あたたかい会見でしたね。




平日にもかかわらず
一万人のファンの方々がつめかけたそうです。

老若男女のファンの皆さんのあたたかい表情を見ていて
あらためて北海道にプロ野球ファンが根付いた瞬間を感じました。





アメリカでの入団会見とはうってかわって
彼の表情は 北海道のファンに心を許したような表情に見えました。

いや 許してましたよ。 ねえ、ダルビッシュ君。


初めて見ました 彼のあんな表情は。





アメリカの会見では語られなかった、
海を渡る本当の理由を
北海道のファンの前で 話してくれました。 


メジャーには行きたくないと語った気持ちはあまり変わっていない。
自分は野球選手であり、相手のバッターを倒すのが仕事。
しかし、日本の相手球団の選手から冗談でも「投げないでよ」などと声を掛けられた。
フェアな対戦をしていないんじゃないかという気持ちがあった。

日本の環境は合っているが、
(周囲に)求められるのは違う環境、メジャーだと思った。
 




少しセンチメンタルな理由に驚きました。

我々が天才の苦悩と片づけるには無責任すぎます。
本意とは別に 半ば押し出されるように、ということですよね。

これを聞いた日本の選手たちは どう感じるか。







もう一つの理由として、
日本人の選手の評価がアメリカで低くなってしまっていて、
日本の野球が下に見られるのがすごく嫌だった。



前回の当ブログで
彼は 日本を背負って出る感覚は持ってないと書きましたが
申し訳ございません。 取り消させていただきます。

ここ数年、メジャーの日本人選手の評価が下がっていることに
彼自身 ジレンマがあったようです。

個人レベルではなく、
日本の野球が 軽んじられていることに 我慢ならなかったようです。








7年間で一番印象に残っている試合については、
自分が投げた試合ではないですが、2006年のプレーオフ(対ホークス)。
斉藤和巳さんが投げていた、サヨナラの場面。9回裏のひちょり(森本)さんの場面、それはよく覚えています。
ベンチ裏の陰から見ていて、すごい声援で、斉藤さんがペースを乱して、確かストレートのフォアボールだった。

そこから より強くファンのためにと思うようになりました。
それが一番印象的です。 今でも声援もすべて覚えています。




まさにプロフェッショナルの発言だと思います。 

自分の投げた試合じゃない。
あの試合、札幌ドームを揺らしたファンはもとより
全国のファイターズファンに対する
最大の愛情表現じゃないでしょうか。










最後に、
世界中の誰もが No.1のピッチャーはダルビッシュだと言ってもらえるような そういうピッチャーになりたい。
最終的にここ(ファイターズ)に戻ってこられたらうれしいなと思っています。



旅立つ前から 帰ることを言うのは 異例中の異例。

しかし 彼のファンに対するやさしさが
そうさせたのでしょうか。







彼のまなざしは
ファンひとりひとりに語りかけているような
そんな野球少年のそれでした。


アメリカでの成功を心より祈ります。