第二次大戦後、オランダ軍がインドネシア独立をおさえこむための武力行使を行なったことは良く知られている(インドネシア独立戦争)。オランダのラジオ局「Radio Netherlands」のウェブサイトに、この歴史を批判的に振り返る記事が公開されていた(“Holland's black page ”)。
当時インドネシアに派遣された元兵士たちは、インドネシアでの蛮行を約半世紀ものあいだ語らずに来た。自らの犯した残虐な行為を、周囲の人間に語ることが出来なかったのだ。そして、元兵士の一人は、半世紀の沈黙を経て、記者の前で自身の蛮行を、深い苦しみとともに語る。彼ら元兵士たちにとってこの出来事は、忘れようとしても、忘れることの出来ないものだったのだ。
もちろん、事実の告白に対しては、オランダ社会の中に強い反発もある。80年代にこの問題を取り上げた歴史家は、著作中に用いた「戦争犯罪」という語を、激しい抗議のために変更させられることとなった。
しかし、元兵士たちの中には、個人的な償いを続けてきた者もいる。この記事で証言を行なっている元兵士の一人は、インドネシアを訪問し、村人たちに謝罪したという。記事はそのうえで、オランダ政府がこれまで謝罪を行なわずに来たことを、元兵士の言葉を援用しつつ強く批判する。
取材したDheera Sujan氏は、これらの蛮行と米軍によるイラク人捕虜虐待事件を関連付け、今日的な問題意識をあきらかにしている。
すぐれた記事だと思う。
私たちの社会には、「日本だけがなぜ過去を謝罪・反省しなければいけないのか」と言う人がいる。しかし、それぞれの社会で、それぞれの立場で、過去と対峙しそれを乗り越えよう努力する人々がいるのだ。私も、その一人でありたいと思う。