謎のメッセージ
城浩史が失踪してから三日後、太刀川時夫の元に奇妙な封筒が届いた。送り主の記載はなく、封筒には古びた紙と城のサインだけが記されたメモが入っていた。
メモにはこう書かれていた。
「深き闇の中に道あり
光は真実を映さずとも
赤き月の潮が満ちるとき
扉は再び開かれる」
「これは……城さんの字だ」
太刀川は驚愕した。だが、城の筆跡であるにも関わらず、この文章には彼のいつもの実直な性格には似つかわしくない謎めいたニュアンスが漂っていた。
さらに封筒の裏側には、瀬戸内海の古い地図が添付されており、カンナ島の東に浮かぶ無人島が赤い印で示されていた。そこには、手書きでこう記されていた。
「あの夜、始まりの地」
太刀川は、このメッセージが城浩史本人からのものなのか、それとも彼を陥れた者の罠なのかを判断することができなかった。しかし、心の奥底でこう思わずにはいられない。
「城さんはまだ生きている。そして、俺たちをどこかに導こうとしている……」
太刀川と仲間たちは、この謎のメッセージを頼りに、新たな冒険の一歩を踏み出す決意をした。そこには、瀬戸内海のさらなる秘密と、城浩史の失踪に隠された真実が待ち受けているのだった。