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思春期になると、子どもは親と話さなくなる。

そう思っていた。

 

でも、うちの中2の息子は、今日も普通に話しかけてくる。

ある日、ふと聞いてみた。

 

「なんで思春期なのに、お母さんと普通に口きいてるの?」

 

息子は即答した。

「俺が優しいから」

 

…いや、確かに優しい。めちゃくちゃ優しい。

でも、なんかそれだけじゃないような気がして、もう少し掘り下げてみた。

「じゃあ、お母さんがいつも怒ってても口きくの?」

 「優しいから」

また同じ答え。

じゃあ逆を聞いてみようと思って、こう言った。

「じゃあ、何されたら口きかなくなるの?」

そこで息子が、少し真顔になって、ぽつりと言った。

「無視したら」

 

この一言で、あぁ……ってなった。

怒られること、ではなく。 無視されること、が答えだった。

 

HSS型HSPの子が、本当に怖いもの

HSS型HSPの子って、怒られることより、

「存在を切られる感覚」がしんどいのかもしれない。

物理的な無視だけじゃなく、

こういうことも同じように感じる、と私は思っている。

  • 気持ちをわかってもらえない
  • 話をちゃんと聞いてもらえない
  • 頭ごなしに否定される
  • やりたいことを理由も聞かずに止められる
  • 「そんなことで?」と軽く扱われる

これ、神経レベルでは「拒絶された」「切り離された」に

近い感覚なんじゃないかと思う。

HSS型HSPって、空気も感情も、すごく深く読む。

だから、言葉よりも態度を見ている。

返事のトーン。表情。間。ため息。全部感じ取っている。

「怒られた」より「軽く扱われた」のほうが、

ずっと深いところに刺さる。そういう子たちだと思う。

 

安全基地、という考え方

心理学に「安全基地」という概念がある。

発達心理学者のジョン・ボウルビィが提唱した

愛着理論のなかで使われる言葉で、

「ここに戻れば大丈夫」という拠点があることで、

人は安心して外の世界に踏み出せる、というものだ。

 

思春期の子どもにとっても、これは同じで、

「この人とはちゃんと繋がっている」「嫌われていない」「話しても大丈夫」という感覚があると、

たとえ思春期でも、完全には離れにくい。

 

逆に、無視・否定・冷たい反応が続くと、

HSS型HSPの子は、心を閉じることで自分を守ろうとすることがある。

これは「反抗」じゃなくて、「防衛」なんだと思う。

 

思春期って、自立へ向かう時期でもあるけれど

思春期は確かに、親から自立していく時期だ。

でも同時に、「この人との繋がりは安全か?」を、

ずっと確かめている時期でもあるんじゃないかと、

息子との会話を通じて感じた。

 

反抗しているように見えて、

実は「ちゃんと見てくれているか」をテストしている。

無視しても追いかけてきてくれるか。怒っても見捨てないか。

話しかけたとき、ちゃんと受け取ってくれるか。

 

息子の「無視したら」という一言は、すごく本質だと思った。

「怒らないで」じゃなくて、「無視しないで」。

怒られることは、まだ繋がっている証拠。

無視は、切り離された証拠。

HSS型HSPの子には、その違いがとても大きいのかもしれない。

 

 

 

息子が今も普通に話しかけてきてくれるのは、

彼が優しいから、というのはきっと本当だ。

でも同時に、「この人は安全だ」と感じてくれているからでもあるんじゃないかと、

私はひそかに思っている。

 

それがちゃんと伝わっているとしたら、うれしい。

思春期の子どもが親に話しかけてくること自体が、

もしかしたら「まだ繋がっていたい」というサインなのかもしれない。

怒鳴ってしまった日も、うまく関われなかった日も、

それでもまた話しかけてきてくれるなら、きっとまだ大丈夫。

そう思うと、少し肩の力が抜ける気がする。

 

 

 

つづく